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ロンリースローライファー  作者: パラライザー
おいでませ異世界
5/12

最初にやること

 目をそっと開くと、実家があった。


 懐かしの我が家。

 もう二度と帰れないと思ってた場所だ…。


 玄関を開け、中に入る。

 とても懐かしい匂いがする。

 ポロポロと涙がでてきた。


「ただいま…」


 誰もいないのは分かってるけどね。


 本当にありがとう…神様…。

 俺はリビングのソファーに座ってしばらく泣いた。



 俺の実家は元々森に囲まれた家だったんだが、転生しても窓から見る景色は前世と同じだった。

 なにせ納屋の横に見慣れた木がある。

 あれは間違いなく実家に生えてた柿の木だ。

 ざっと見える範囲は同じようだけど…。

 よし。明日にでも周囲の探索をしてみよう。


 でもまずは家の電気や水道のチェックが最優先です。


 家中を色々調べ回ったが、概ね問題はなさそうだった。

 唯一前世と違ったのは仏壇が神様の木像になっていたことだ。

 神様像の足元にはお賽銭箱が置いてあり、どうやらコイツに異世界のお金を入れることで【通販】が使用できるみたい。

 うーん、とりあえず拝んでおこう。


 そして一通りの確認を終えたので…。

 お待ちかねのアイツを始めようじゃあないか。

 そう…、料理だ!!



 入院生活でろくに飯を食えなかった反動なのか、物凄く腹が減っているのだ。

 俺は急ぎ冷蔵庫など諸々の食材を確認する。

 残念。食材関連はスッからからんなのね。


 だが実は転生で授かった【通販】には20万円くらいお小遣いが入ってたのよね。

 さっき試しに使ったら秒で玄関に食材が届いた。

 いやこれ現代でも完全にチートだね。


 ということで厳正な審査の結果、記念すべき異世界一発目の料理が決定しました。


 みんな大好き、カレーです。


 だがみんな、ちょっと待ってくれ。

 俺の作るカレーはそんじょそこらのカレーじゃない。

 必ずリンゴと蜂蜜がとろり溶けてるカレールーを使うのがポイントだ。

 しかも甘口というこだわりもある!



「結局あれが一番うまいのだ」



 まずは玉ねぎ、人参、じゃがいもをカットする。

 肉は当然豚肉だ。

 これが我が家流なので異論は認めない。

 具材を炒めてグツグツ煮たら火を止め、こだわりのカレールーを投入。

 みんな、ここ大切なポイントですよ。

 カレールーが馴染んだらひと煮立ちさせる。

 隠し味にコーヒーを入れて完成だ。


 皿に盛られたカレーが光を放っている。

 もはやカレーの匂いで失神しそうだ。


「いただきます!」


 スプーン山盛りにカレーをすくい一口でパクり。


 うっっっまぁああああいぃ!


 やっぱりこの味だよ。

 やばい、コイツは止まらんぞ!


 あっという間に一皿目を平らげてしまった俺は、結果4皿分も食べてしまった。


 そして食べ過ぎた事に後悔した。お腹イタイ…。



 テレビを見て少し休憩したら、お風呂にお湯を張り久々の湯船に浸かる。

 久々の風呂に思わずうーっと唸ってしまった。

 やはり風呂は最高である。ほんとに…。


 風呂に浸かってしみじみ思う。

 普段の暮らしが如何に幸せだったかを。

 病気になったから気付くことができた。

 そして俺は今転生し、第二の人生を歩む幸運を得た。


「幸せだなぁ…」


 エレキの若大将みたい台詞を吐いて、俺の転生初日が過ぎていった。

ジャワやこくまろなどに浮気するけど、

最終的にはバーモント甘口に帰ってくるんです。

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