転生詳細説明会
「では坂井さんが転生する異世界についてですが…」
説明によると、転生先は御先祖様が1500年前に魔王を討伐した世界らしく、魔王消滅に伴いモンスターの類いは既に絶滅しているようだ。
また魔法は既に忘れ去られており、文明レベルは中世、人間が支配する世界らしい。
うーん、異世界匂がプンプンする。
「続いて年齢ですが、坂井さんが15歳だった頃の姿で転生してもらいます。容姿はもう既に15歳となっていますので確認してください」
鏡がスッと現れる。
顔立ちを見ると確かに15歳位の姿になっていた。
あっ!しかも若干イケメン化してる!
「多少ルックスは良くなったでしょ?一応15歳なので、精神年齢も20歳程度にしました」
なるほど、やたらマジとかコロスとか年甲斐もなく言ってたのは精神年齢が関係してるみたいだな。
でも定年した喜びで一人裸踊りしてたからあんまり成長してなかったのかも。
「あとは能力ですが、前世で培った能力はそのまま初期値として備わってます。サラリーマン時代の経験が活かせますねぇ」
「そいつは助かります」
「あとは全ての能力に適切があります。例えばですが、弓を訓練すれば弓のスペシャリストになれますし、鍛冶を鍛えれば物凄い剣が作れるようになります」
まさにチート。
これぞ異世界転生のど定番ですな。
なんて思っていたが、
「実際こういったギフトを与えないと、転生者は結構簡単に死ぬんですよ。転生先は中世ですから。殺し会い上等の世界ですし」
「最悪の場合、人を殺さなければいけないと?」
「坂井さん次第にはなりますが、覚悟だけはしといてくださいね」
なるほど、現代日本人は異世界に行くとあっさり死ぬんですね。
転生後の立ち回りは要注意だな。
「以上になりますが、大丈夫ですかね?」
まだだ!まだ足りない!
2回も婚約破棄されたんだ。しかもコイツのせいで。
神様…。倍プッシュといこうじゃあないか!