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輪廻転生じゃない

「すいません、坂井さんは転生するんです!」


 転生すると知って驚いたが、冷静に考えると輪廻転生なる言葉があったことを思い出した。

 確か死んでも同じ世界に何度も蘇るみたいな意味だ。

 とにかく受け入れるしかないなと思い、神様に質問してみた。


「いわゆる輪廻転生ってやつですか?」

「ちょっと違いますねぇー。輪廻では無いんです」


 とゆーことは、あれかな?

 よくあるラノベ系異世界転生とか?


「ご名答でーす」


 当たっちゃったよ。

 本当に異世界転生があるんだな。

 でもなんで俺が選ばれたんだ?


「実は坂井家の男子全員、異世界転生する運命なんですよ!」

「えええ!?なんでそんな運命になってるんですか!?」


 神様が長々と説明してくれたが、要約すると俺の一族は武器や魔法の扱いに秀でていたようで、

 そこに目を着けた神様が剣や魔法の世界に神の使徒として送り込んでいたとか。

 中には実際に魔王討伐という偉業を成した御先祖様もいるらしい。


 だが一つ疑問なのは俺が坂井一族の最期の男子だったことだ。

 親戚含め何故か坂井家の跡継ぎがおらず、【坂井正人】の死を以て坂井家は断絶した。

 実際に墓じまいなどの終活をがっつりやったしな。


「でも神様。坂井家は私を最後に御家断絶になったんですが…。大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですよ。もう異世界転生はあなたを最後に終了となったんです」


 魔王やモンスターは邪神により創造されてたそうで、どうも最近神々による邪神討伐があったそうな。

 坂井一族の奮闘もあって各異世界の魔王も滅んでしまっており、異世界転生はこれ以上不要と判断したみたいだ。

 それに伴いうちの一族もお役御免となったわけで…。

 んん?坂井家断絶も異世界転生終了が影響してないか?


「あれ?もしかして、坂井家の御家断絶も神様のせい?」

「あはは!分かっちゃった?」


 あはは、じゃねーよ!

 どうやら異世界転生不要になった途端、神の力でうちの一族を潰したみたい。

 俺が現世で2回も婚約破棄されたのも、コイツが原因だったようで、


「結婚しようとするから色々大変でしたよ」


 なんてことまで喋りやがった!

 結果前世で俺は女性不信となり、恋愛が出来ず死ぬまで独身だった。

 そうか、俺の恋愛トラウマの原因は…。

 目の前にいるコイツのせいか!

 マジで殺してやる!


「待って待って!!そこに関してはホント謝るからさぁ。それに異世界行ったらパツキンネーチャンとキャッキャウフフになれるよう色々こっちも頑張るからさ!!ね!!」

「さすが神様。話が早い!」


 自分でもびっくりするぐらい速攻で手のひらを返した。

 そう!これで俺もラノベ主人公になれるんだ!

 過去より未来が大切なのである。

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