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5.お茶会2




「ということがあったんだ」


リアは今、レイモンド侯爵家に来ていた。必死に仕事を調整して時間を作った、昼下がりのこの時間。全てはリアの目の前で微笑む令嬢のためである。


「ふふ、皆さん、おかわりなくお元気そうでよかったわ」

もちろん、リアちゃん。あなたもよ。

「なかなか来れなくてすまん、ソフィア」


ソフィアと呼び掛けられた令嬢、ソフィア・レイモンドは首を横に振る。その金糸のような美しい髪が揺れる。


「リアちゃんが忙しい中、時間を見つけてこうして会いに来てくれていることくらい私にもわかるわ。でもね、無理だけはしないで。私のことは気にせずに、体を休めた方があなたのためになるなら、そうしてほしいの」

「そんなことない!ソフィアとこうしてお茶しているときがわたしの楽しみの一つなんだ。こうしているだけで疲れなんて吹き飛ぶさ」

「まあ、相変わらずお口が上手いこと。でも、うれしい。私もこうしてリアちゃんと一緒にいるの好きよ」


二人だけの時間に穏やかな空気が流れる。

リアとソフィアは幼い頃から互いの家を往き来する仲であった。成長した現在でも時間を見つけてはこうして二人だけで過ごす時間をつくっていた。リアにとっては親友と過ごすこの時間が何よりの癒しだった。


「これ、リアちゃんのために作ったの。どうかしら?」


そう言って差し出されたのは茶黒の円盤、否、クッキーである。噛むごとに脳に響く振動は、とても食べ物から発せられていいものではない。


「いつもありがとう、ソフィア。今日のはまた刺激的な味だな。頭が冴えるようだ」

「ふふ、よかったわ!気付けの薬草を混ぜてあるから、どんなに眠くてもこれを食べればシャキッと爽快よ」

「ほう、戦場の夜食に最適だな。(東司令部(うち))で取り入れてみるか検討しよう」

「リアちゃんのお役に立てるなら、私もうれしいわ」


そうは言ったが、これまでソフィアが開発した(作った)物は隊員たちの猛反対により実現はしてこなかった。今回も同じ道をたどることになるだろう。

ソフィアが作るお菓子はどれもこの世のものとは思えない味がする。彼女は良かれと思って、様々な薬草をお菓子に混ぜ込んでしまうのだ。しかし、リアはそれを平然と食す。だが、初めから食べれていたわけではない。長年のお茶会という名の訓練により、リアは自らに暗示をかけることに成功した。それはひとえに、親友であるソフィアへの愛がなせるわざであった。今日も今日とてリアの味覚を司る神経は働きを止めている。


「ソフィア、研究の方はどうだ?順調か?」

「ええ、おかげさまで。今は学院の教授と共同で新種の植物について研究をしているの。家の温室園でも薬草の掛け合わせをして、最近やっと芽が出てきたところよ」

「流石は最年少で博士号を獲得した才女だな。親友として誇らしいよ」

「もう、言いすぎよ!」


部屋に二人の笑い声が響く。



「リアちゃんはお茶会のお誘いとか来てないの?」

「わたしにはないが、母上が王妃様とされるようだ。そのために新調したドレスを見せてもらったが、こう、何層にも色が重なった、母上の色に似合う綺麗な青だったな」

「もしかしてそれって、セレストブルーとアザーブルーのドレスじゃないかしら?」

「せれすと?あざー?なんだそれ、聞いたことないぞ」

「ちょっと来て」


部屋の奥にある衣装部屋に連れていかれる。そこには色とりどりのドレスが仕舞ってあった。ソフィアはそこから一つのドレスを取り出す。それは鮮やかな青いドレスだった。


「こういうのではなかったかしら?」

「おお!これだ。この青!でも、どうしてすぐにわかったんだ?」

「最近の流行色なの。この色を使った布を重ねることで動いたときに美しいグラデーションができるのよ」

「あ、そういえば、母上もそんなこと言っていたような……」

「アクア様がこちらに来られたのなら王妃様がリアちゃんをお茶会にお誘いするのは時間の問題だと思うの。お茶会に参加するなら、こういう話題もチェックしておいた方がいいわ」

「そうなのか。憂鬱だー」

「ふふ、リアちゃんはこういうの苦手でしょう?良ければ私が教えましょうか?」

「いいのか!?頼む!ソフィア、教えてくれ!」


それからリアは最近流行りのものについて、ソフィアからみっちり講義を受けた。





リアがソフィアと楽しいお茶会を開いた数日後、王宮のある一室に各司令部の部隊長が集結していた。


「定例議会を始める」

「なんだ、南はまた欠席か?」

「魔物の報告が上がってきたらしい。今日は南抜きで行う」

「リアちゃん、海ってそんなに騒がしいところなの?」

「リアちゃん言うな。魔物さえ出なければ穏やかなものさ」

「海洋は南の管轄だ。心配しなくともあいつならすぐに終わらせられるだろう。こっちはこっちの仕事をするぞ。今日の議題は……」


会議も中盤に差し掛かる頃、ノックの音とともに一人の女性が入ってきた。


「王妃様よりリア・ブラックベルン様にお呼びがかかっております」

「王妃様がわたしにか?差し支えなければどのような件か事前に知っておきたいのだが……」

「はい。この後より王宮で開かれるお茶会にリア様をご招待したいとのことです」

「お茶会!?そ、そんな話聞いてないぞ!」

「はい。リア様には内緒にするようにとお達しが出ておりますので、ご承知でないのは当然のことかと」

「内緒ってどうして……」

「『お茶会の存在を知ったら任務といって遠くに逃げるから、逃げ道を塞いでお迎えに行った方が確実に捕まえられるわ』との王妃様の発言により、こうしてお迎えにあがった次第です」

王妃様に完全に先を読まれている……だと!?いや、まだだ!

「しかしな、そう急に言われてもわたしは今日この軍服しか持っていないし、他の準備も出来てない。こんな格好ではとてもじゃないが王妃様の御前に顔を出すなど……」

「それでしたらご心配なく。王妃様もそれを見越してリア様の新しい衣装を特注でお作りしております。その他の物も部屋に準備しておりますので、どうぞこちらへ」

……完敗だ。一点の隙もない王妃様の完全勝利だ。


引きずられるようにしてリアは部屋を出ていった。残されたサイラスたちはそれをただ見送るしかなかった。


「会議どうすんの?」






色とりどりのドレスがまるで花を咲かせたかのようにコンサバトリーのガーデンに集結している。ここは王妃専用の温室である。いつも一定の温度に保たれたここは様々な花が植えられており、その美しさを愛でるために王妃がお茶会をする際によく使う場所である。

リアも王妃と談笑するため、ここへよく足を踏み入れていたが、今回ばかりは二の足を踏んでいた。


一体何人いるんだ?


まれに見る参加者の多さだ。ここからではリアを呼びつけた王妃の姿が見えない。

リアが入口付近で会場の様子をうかがっていると知っている声が聞こえてきた。そちらに顔を向けると驚いたようにこちらを見るソフィアがいた。


「リアちゃん?」

「ソフィア!」


思わず安堵の息を漏らす。リアは吸い寄せられるようにソフィアに近づいた。しかし、それも途中で足を止めることとなる。リアに気がついた令嬢たちが彼女の前に集まってきたのである。


「まあ!リア様!」

「え、きゃあ!リア様よ!」

「リア様もご参加なされますの?」

「ああ、そのように聞いているが……」

「リア、こちらにいらっしゃい」

「王妃様」


令嬢の勢いに押されてたじろいでいたリアだったが、王妃に呼ばれ、側に近寄る。


「私の見立ては間違っていなかったわ。その衣装、貴女にとてもお似合いよ」


今、リアが身に付けている衣装は王妃が贔屓にしている仕立屋に注文して作った特注品である。全体的に青で統一したそれは細部にリボンやレースをあしらっており、リアが着るとまるで少年騎士のように見える仕上がりになっている。


「わざわざご用意いただき感謝申し上げます」

「あら?もしかしてここに呼び出したこと怒っているのかしら?」

「まさか、王妃様に怒りを向けることなどあり得ません」

「そう?それならよかったわ」


満足そうな王妃にリアは怒りよりも諦めの感情がわく。来てしまったものは仕方がないと改めて周りを観察する。


比較的若いご令嬢が多いな。顔ぶれを見る限り、未婚者ばかりだ。一体何の集まりなんだ?


「王妃様がリア様のお召し物をお選びになられたのですね!とても素敵な衣装ですわ!」

「ええ、本当にそうですわ!流石は王妃様!特にこちらのセレストブルーを用いているところなんてリア様にとてもお似合いですわ」

「何を言っているのかしら?リア様に合うのはアザーブルーのお色ですわ。王妃様もそれをわかって多くの部分に使用されていらっしゃるじゃあありませんか」

「貴女こそおかしなことを言うのね。セレストブルーの部分がリア様の魅力を引き立てているのですわ!」

「いいえ!アザーブルーのところがリア様の瞳によく映えていますのよ!」


な、なぜ、いきなり争いが起こるのだ!?


いきなり戦いの火蓋が切られたことに一人驚くリア。とっさにお茶会の主である王妃へ目を向けたが彼女は静観するつもりらしく、優雅に笑んでいた。

そうこうしているうちに令嬢たちの熱はあがっていく。


「貴女、一歩も引く気がないのね」

「あら、貴女の方こそ自分の間違いを認めたらどうかしら?」

「なんですって!?」

「これじゃあ埒があきませんわ。直接リア様にお決めになっていただきましょう」

「ええ、そうね。リア様はどう思われますか?もちろん、わたくしの意見に賛同していただけますわよね?」

「何を言っているんだか。リア様は私と同じ考えですわよね?」


二人の令嬢に詰め寄られて困惑する。そもそも、リアは細かな色の違いなどよくわかっていなかった。ソフィアと勉強した流行りの色が使われていることは衣装を見たときに気が付いたが、全体的に青っぽいこの服のどの部分に令嬢の言う色が使われているのか判断つかない。


どうすればいいのだ……!


そこに救世主が現れた。


「最近の流行を押さえた色合い。それに、細部にわたる刺繍はこの国に伝わる伝統的な技法を使っておられますね。でも、この模様は見たことがありませんわ。このタイとベストは……もしかして、王妃様は『永遠の愛を君に』のリカルドの少年期の格好を模していらっしゃるのではないでしょうか?」

「あら、よく気がついたわね。そうよ。今、リアが身に付けている衣装は本に出てきたのを再現してもらったものよ」

「まあ!さすがですわ、ソフィア様!なぜお気づきになられたのかしら?」


一人の令嬢の疑問にソフィアは微笑みながら答えた。


「セレストブルーのタイ、アザーブルーのベスト。どちらも本に描写されていた通りですわ。お二方の目に留まって、話題にあがったのでわたくしも気づけただけのこと。これはお二方のご慧眼があってこそのものですわ」

「では、最初からお二方はお気づきだったのですね!」

「え、ええ」

「まあ、ね」


尊敬の目を向けてくる自分よりも年下の令嬢に二人は気まずそうに言葉を返す。


助かった!ソフィアのおかげで二人の勢いがなくなった。色の配置もわかったし、王妃様がリカルドを参考にしたのも判明したな。だが、なぜわざわざリカルドの少年期の服装を作ったのだ?しかも、それをわたしに着せる意味がわからん。


「ねぇ、リア。フィリップももういい年だと思わない?」

「フィリップですか?」


いきなり王妃から出た王子の名前に首をかしげる。フィリップ王子はリアのいとこにあたる。幼い頃から一緒にいる機会が多かったため、今では身分の差など気にせずに何でも言う間柄になっていた。ちなみに、リア、フィリップ、ユージン、ソフィアの四人は同い年でしかも幼馴染みである。


あいつがいい年なら同い年のわたしもいい年になってしまうが……。


「ええ、あの子、恋人の一人や二人もいないのよ。母親としては心配になってしまうわ」

「公務が忙しいのでしょう。そんな暇はありませんよ。それに、同時に複数人と交際をするような男ではないのは王妃様が一番よくわかっていらっしゃるでしょう?」

「まあ、そうね。あの子にそんな度胸はないわ」


実の親にもこう言われる王子。リアも大きく首をふって同意する。


「でも、この国の王子はフィリップ一人だけ。国の未来を思うならそろそろお相手を探していってもいいと思うの」


やっとわかった。そういうことか。王妃様は花嫁候補を探すためにこのお茶会を開いたのか。

いや、ならますますわたしがいる意味ないんじゃ?


「王妃様のお気持ちもわかります。ですが、それを決めるのは王子で……」

「やっぱり、リア!貴女ならわかってくれると思ってたわ!」

「いや、わたしはそうは……」

「ええ、そうよ!あの子は優しすぎるの。ここは親の私が先導しなくては誰がするって言うの?」

「……」


この人、他人の話聞いてない。


「王妃様が王子のことをご心配なのはわかりました。ですが、なぜわたしを呼んだのですか?」

「あら、言っていなかったかしら?貴女を呼んだのはね、リア、貴女の意見も聞こうと思ったからよ。幼い頃からフィリップと一緒に過ごした貴女ならあの子の好みそうなタイプくらいわかるでしょう?それに、国を守る立場の貴女の考えも参考にしようと思って」

「そうですか」


王妃にこうまで言われてしまったならリアとしても真剣に考えなければならない。


あいつの好みそうな女性か。そういえばなんかそんなこと言ってたような……。


リアは昔を思い返していた。


「確か、押しの強い女性より優しくたしなめてくれるような人がいいと」

「あの子、叱られること前提に考えてるのね」

まったく、もう少しシャキッとしなさいな。


王妃の意見にまたもや大きく首をふる。


「優しい方ね。確かにパートナーには優しくしてもらいたい気持ちもわかるわ。リア、司令部の隊長としての意見は何かないの?」

「王子の相手ということは将来のお妃。この国の顔となるお方になります。様々な教養を身に付け、国のことを一番に思う方ならもちろん何も言うことはありませんが、結局のところ、軍に籍を置く者としてはどなたがなろうとさほど差はありません」

「あら、どうしてそう思うのかしら?まるで王妃など取るに足らない存在と言っているみたいね」

「まさか、そのようなことを言っているわけではありません!わたしは王子が国を傾けるような人を選ぶとは思えないのです。それにこの国に降りかかる厄災を払うのがわたしたち軍の役目。王となるフィリップはもちろん、そのお相手も全力で守り抜くことに変わりはありません」

「うふふ、ごめんなさい。少し意地悪をしてしまったわ。でも、それは頼もしいことね」


リアは静かに息をついた。王妃の殺人光線は肝が冷える。


「王国のご令嬢は皆、素晴らしい方ばかりですから、その点でもわたしは心配などしておりません」

「まあ、リア様ったら」

「うふふ、もう、本当に」


リアの言葉に静かにことを見守っていた周りの令嬢たちが照れたように笑む。



雰囲気が穏やかになったところで王妃から好物のお菓子を用意していると言われたリアは少し離れたテーブルを見る。そこには様々な種類のスイーツが置かれていた。その周りにはお茶会に参加している令嬢の中でも幼い部類に入る少女たちが集まっていた。

まだ幼い彼女たちは王子の隣に立つことよりお菓子に興味が向いているらしい。もちろんリアもそうなので、王妃の隣を失礼してそそくさとテーブルに近づく。


そんなリアを見送るのは王妃とその周りに陣取る妙齢の令嬢たち。少しでも自分をアピールしようと貴族の令嬢らしく争っていたが、それもリアが来てから鳴りを潜めていた。


リアは知らなかった。自分がいることで令嬢たちがいつもより大人しくなっていることを。

女性ながら東司令部の部隊長を務めるリアに憧れの感情を持つ令嬢は少なくない。男性すら圧倒する力と女性に対する紳士的な態度、あのブラックベルンの一員というブランド力が多くの女性を虜にする。今回、集まった令嬢たちもその多くがそうであった。しかも、今日のリアは流行りの恋愛小説の人気キャラクターであるリカルドの格好をしており、ますます輝いて見えた。そんな憧れている人の前で本性をむき出しにして争うなんて、淑女としても、一人の女性としてもできなかった(ちょっと漏れ出てしまった令嬢もいたが)。もちろん、そんなことリアは関知していない。しかし、王妃はリアのお茶会における存在価値を十分に理解していた。緩衝材としての利用価値に。


おほほほ。リア、その調子よ!これでこそ嫌がる貴女を連れてきた甲斐があるというもの。今日の貴女は少年リカルドそのもの。その青い瞳で無駄に争う令嬢たちを大人しくさせなさい。


なんかすごく見られている……!


王妃の熱視線に自分は何かやらかしたのかと内心震えるリアであったが、今は目の前のお菓子に集中する。


流石は王家の料理人が手掛けただけあるな。どれも繊細なデザインでこうして見るだけでも楽しい。


季節のフルーツを使ったタルト、ドーム型のチョコムース、苺がたっぷり乗ったミルフィーユなどなど他にもたくさんのスイーツがテーブルの上に所狭しと並べられている。

どれから食べようかと吟味するリアの横に一人の少女いた。彼女はテーブルの上に一生懸命手を伸ばして中央にあるケーキを取ろうとしていたが、あと少しのところで届かない。それを見ていたリアは少女に声をかける。


「桃のケーキがほしいのか?」

「あっ……リア様」


彼女はたった今リアに気づいたらしい。恥ずかしそうに手を収め、ちらちらとこちらを見る。


「ほら、これでいいか?」

「あ、ありがとうございます」


ケーキを取って少女に渡すとはにかみながらお礼を言われた。リアは他の少女たちにも同様にケーキを配る。

まだ年端も行かない彼女たちを見ると幼い頃のセシルを思い出す。


よくこうして世話をしたな。


「リア様!わたしたちあちらの席でお話ししてますの。よろしければご一緒しませんか?」


活発そうな少女が指す方には少女と同年代の令嬢たちの姿が見えた。特に断る理由もなかったため手にスイーツを乗せた皿を持ち、移動する。すると、周囲にいた少女たちもひとつのテーブルに集まってきた。

先程までとは異なり、終始穏やかで微笑ましい会話に思わず感動する。

こんな光景を見る機会など軍においては一ミリ足りともない。見渡す限りの男、男、男!女性が極端に少ない軍では甘味好きのリアもおすすめのケーキ屋や新作スイーツの感想を語り合う相手がいなかった。それがどうだ。この場では策略や発言の裏をかくことなく純粋にスイーツについて話せる。


「なんて素晴らしいんだ」

「何が素晴らしいの?リアちゃん」

「ソフィア!?」

「ふふ、ごきげんよう、皆様」


リアの驚きように笑うソフィアは少女たちに向き直ると優雅に挨拶をした。少女たちも次々に挨拶を返す。


「ソフィア、抜け出してきてよかったのか?」

「ええ、王妃様がリアちゃんの側にいてあげてって仰って下さったの」


可愛らしい少女たちに優しい自分の親友、そして美味しいお菓子。


最高の空間が出来上がっているではないか!


ここに来てリアの機嫌が一番よくなった。たまにならお茶会も悪くない。

そう思ったリアが次に参加したお茶会で地獄を見るのはまた別のお話。







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