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第3話 漆黒の竜魔王レビィア (18)
私がこの国を治めていた暗黒の黒竜である竜魔王の末裔……。娘なのではないか? と、思う輩達もいる。
だから彼等が『兄貴~!』と呼ぶ者に、私が『竜姫さまなのでは~?』と、訊ねるのだが。兄貴と呼ばれる者は、自身の顔色を変えて『ブルブル』と顔を振り──。身震いまでしながら。
「お、お前達~。口が裂けてもこの事を誰にも喋ってはならないぞ~。今お前達が口に漏らした言葉は全部忘れろ~。あのお嬢さまは只の何処かの高貴な姫さまであり。決して伝説の竜姫さまはではないのだ~。だから今日の事は全部忘れろ~? 皆分かったなぁ~?」と。
ならず者風情の者達へと諫めの言葉と。
「二度と姉御には関わるな~? 分かったなぁ~?」
と、再度忠告をするのだよ。相変わらず、今の竜魔王である私に対して、恐れ慄きながらねぇ~。