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第2話 我が家の事情……(1)
「母上~、お腹が空いたよ~」
「えっ! あああ~、リム~。お腹が空いたの~?」
「うん、リムはお腹が空きました~。母上~」
「う~ん、そうですか~? リム~? では、ちょっと待ってね~。母が町まで行って~。何かしら~。購入をしてきますから~。もう少し我慢をしてね~。リム~」
「は~い! わかりました~。母上~。リムは良い子にして~。お城で待っていますから~。母上も~。町まで~。気をつけていってきてくださいね~」
「うん、わかったわ~。リム~。本当に貴女は~。良い子ですね~」
私の耳に、こんな親子の会話が聞こえてきました。
だから私の大きな口から「はぁ~」と、嘆息が漏れる。余りにもくだらない親子の会話……。
それも~? この世界の頂点を極めるドラゴンの親子の情けない会話だから。同じドラゴンの私……。
と、いうよりも? 次期このお城……。この国の皇女になる予定だった長女の私だから。母と妹の会話を聞いて、本当に情けなくなる。