第1話 前置きというよりも、家を購入しました。(13)
まあ、とにかく僕は、一国一城の主になった訳だから自身に気合を入れ、頑張らないといけない。
だから僕は毎日頑張ったよ!
それこそ、自分なりにね。
でもさぁ~。僕のお店、広島風お好み焼き屋『さつき』は、オープン当初には沢山のお客さまが来店をしてくれていたのだ。
う~ん、でも……。
オープン当初には来店をしてくれていたお客さま達も、ここ最近は全くと言って良い程来店をしてくれなくなった。
だから僕は、う~ん、何故だろう? と、思い思案をしたのだ。
するとね? 僕なりに心当たりがあったのだよ。
う~ん、実はね? 僕には、広島風お好み焼き屋を経営していく上で重要な欠陥があることに気がついたのだ。
じ、実は僕が焼いた広島風お好み焼きは、祖母が焼いた広島風お好み焼きのように美味しくはないのだ。
だから祖父が経営をしていた広島風お好み焼き屋『さつき』の、お店の看板は使用出来ても、味の方は全くといってよい程違う物で美味しくない。
まあ、そう言った訳で僕は、祖母の焼いていた広島風お好み焼きの味をお客さまに伝えることができないからリピーターになってくれる常連のお客さまもいない。
最初の新店としての物珍しさも無くなると、日増しに段々とお客さまの足取りも止まってしまった訳なのだ。