第5話 リムはパパのお嫁さんだよ。(2)
「えぇえええ~? 嘘~?」だよ。今度はね。
リムの説明を聞き、パパは今にも、自身の両目が飛び出そうな勢いで、声を大にして叫び始めたのだ。
だからリム達の周りを歩行する人達は、驚愕をしながら、リムとパパのことを凝視するのだ。
と、言うことはないみたいだね。人種、人間と呼ばれる生き物達自体が歩行をしていないみたいだから。
それよりも違う物、と、言うか?
リムとパパの横を勢い良く走行する物は、乗り物なのだろうか?
ユニコーンやベクトルが引く、荷馬車やバシャとは違う。乗り物のようだけれど。リムは、あの乗り物が不思議でならないから。
「パパ、あれは何?」と。
リムの説明を聞き、未だ驚愕している家のパパへと訪ねてみたのだ。
「ん? どれ? リムちゃん?」
リムの問いかけに対して、驚愕、動揺、呆然としていたパパが我に返り。リムを凝視しながら訊ね返してきたのだ。
「ん? あれ? あれだよ。パパ?」
だからリムはパパに、自身の指先である物……。
そう、リム達二人の横を勢い良く走行する乗り物を指差しながら呟く。
「……ん? もしかして? 自動車……。自動車のことなのかな?」と。