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ああ、私はただのモブ。  作者: かりんとう
初等科4年生
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いろいろとおかしい選挙ポスター

7月になり、初等科内では児童会選挙の話題一色である。

児童会、初等科生徒による自治運営組織で中等科以降は生徒会と呼ばれる。児童会自体は好き放題何でも出来るわけでは無い、あくまでメンバーは生徒達のまとめ役であるのみでやることは限られているし権力はない。


(まさかな、ヒロインちゃんが立候補するとは)


その児童会には、会長、副会長2名、会計、書記、体育委員長、風紀委員長、図書委員長などの役職があり、立候補は初等科3年生から可能ではあるが今まで立候補するのは大抵5、6年生であった。

そんな選挙で“ヒロイン”の彼女は会計に立候補したのだ。


(会計はダメでしょう………)


お金を扱うことを彼女に任せたらどうなるのか……想像するだけ無駄だと思う。

それにしても今年は例外続きの年だ、彼女だけでなくあのジスト=メルサイユも図書委員長に立候補していた。


他の候補者がポスターに真面目な事を書いているにも関わらず、

“3時のおやつをOKに 会計ジョアンナ=メイデン”


(いやいや、会計関係ない!)


“本を傷つけないようにしましょう、昨年度学園全体で20冊の本が傷つきました 図書委員長ジスト=メルサイユ”


(初等科だけで本は1000冊くらいあるのよ……全体なんて1万冊近くになるし、絶対その20冊は本の寿命じゃないかしら)


突っ込みどころ満載なんですけど………

その2人以上に突っ込みどころがあったのは

“学園を本当の平等に、不平等解消 副会長スノウ=バードミル”


(言ってることは立派だけど今で充分平等だと思うけどなぁ、校則で身分差関係なく平等にってあるんだけど!校則を否定しちゃダメよ)


そう言ってるのはスノウ=バードミル……あの最近お家騒動で忙しいバードミル公爵家のご子息か。


「今年の選挙、なんか変な人多くない?」


「だよねマリアもそう思う?バードミル様なんて校則を否定してるよ……」


「あの方、お父様に似ておかしいところありますから……」


バードミル公爵家はちょっとしたお家騒動が起こっている家だ。

スノウ様のお父上の前公爵はある日急に『私は神の1人だと太陽神からの御神託を承けた、神である私には公爵などという位なんぞ要らん』と訳の分からないことを言って、野菜作りに命をかける弟のナチュダ=バードミル様に公爵位を譲った。だが、やっぱり返せと最近言い出して争いが起こってるらしい。


「ヘンリーの言ってたこと正しかったのね……」


ヘンリーは少し前に『5つある公爵家の中で俺は1番マトモだと思うんだよなぁ』と言っていた。

ローザンヌ公爵はヘタレ、バードミル家は兄は自称神の1人で弟は野菜にしか興味がない、他の2家を詳しく知らないのでなんとも言えないが間違っていないと思う、いや他がひどいからマトモに見えているだけなのかもしれないが。


「………この学園はどうなるのかなあ」


「王女、児童会には何かやらかせるほどの権限は無いし大丈夫ですよ」


「シャルル、貴方はそういうけどねメンバー的に予想外の事をしそうなんだよね」


自分が世界の中心と思っている節がある“ヒロイン”に“攻略対象”と“自称神の息子”……。不安に感じる要素しか無い。

私の気持ちとは違い、数日後の開票結果は候補者全員が当選していたそうな


(大丈夫かな)


他の人達はこれで学園もしっかりとしてくれるとメンバー達(ヒロインちゃんを除く)に高い期待を寄せていたのだが私は期待するなんて出来なかった。

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