表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ああ、私はただのモブ。  作者: かりんとう
初等科3年生
47/229

王女と猫に好かれる男

9月、夏休みは終わった。

私はあのシス王女の発言について考えている。あれはとても貴重な意見だ、“攻略対象が悪”と言うあの発言だ。


「私はなにができる?私の目的は、ルイ=L=ドレリアンが生まれる未来を守ること……なのかしら」


ルイ=L=ドレリアン。

特別監査室室長で後に宰相となるアベル=ライオンハートの孫、ここよりも西の帝国を舞台にしたゲームの攻略対象……


「私に、出来るの?私には他に目的が……」


ションちゃんの側にいる、__そうではない、お前はフェルナンドを守れ、未来を守れ。他の攻略対象にヒロインを近づけるな!

もう1人の私は訴える。だけれども、ルイが生まれなかったところで私に何の関係があるの!と言う私もいる。


「エリ、どうしたの……?顔が真っ青よ……」


「なんでもない、ちょっと保健室に行くわ。」


マリアが心配しているがそれを見て見ぬふりをして保健室へ向かう。


(アベルが悪徳宰相ね……人間である以上功罪は誰にだってある、だけれどもアベルが極悪人になるとは思えない。)


誰かに嵌められた?

彼女の言うようにヒロイン達は悪でその悪に負けてしまった?

考えても考えても分からない。


「あれ、エリザベス王女……どうしたんですかぁ?」


声のする方を向くとそこにいたのは独特な語尾を伸ばす特徴のあるパレス=コノユライン子爵だった。


「あ、パレスくん……どうして学園に?」


「オンリバーン侯爵の代理ですよぉ、忙しいから変わりに言ってくれって言われてね」


「…なんか特別監査室の人って皆講演会にお呼ばれするのね、そんなイメージがあるわ」


「それは室長やオンリバーン侯爵達だけですぅ、私にそんなのは絶対に来ないですよぉ」


パレスに付いていく。保健室に行くと言うことをすっかり忘れていた。


「あ、猫だぁ!王女、猫ですよぉ」


「あら本当だわ、野良猫かしら?」


中庭には、白猫や黒猫が数頭いた。

パレスくんはどうやら猫に好かれる人のようだ、猫達はじゃれついていた。


「……猫からずいぶんと好かれるのね、猫達も嬉しそうだわ!」


「ウフフ、猫達は僕の事を分かってくれる気がするんですぅ。」


そのままパレスくんは猫を引き連れて去っていった。


(あれじゃ猫のボスみたい……)


パレスくんのお陰か猫のお陰か気持ちは大分落ち着いた。


「あ!保健室に行こうとしてたんだった!」


そうだった、保健室に行こうとしていたんだった!忘れてた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ