学園初登校
翌日の朝、私は馬車に乗り込み生まれてはじめて王宮を出た。
何でも以前のエリザベスは不登校だった、4月に入学してから今まで2週間学校に行っていない。ずっと王宮で遊び呆けていた。
「まぁ、あの鳥は一体なんという名前なの?」
「とても爽やかな朝ね」
王宮の重苦しい空気とは違い、外は空気が澄んでいた。
「……………あちらが学園でございます。」
マリッサが言う。
学園は、想像した通りの中世ヨーロッパの城のような外観で門の前でもう前世庶民な私は思わず萎縮してしまう。
「………スゴいわ。こんなとこ通うの、私が…」
「なに唖然としているんですか、王女様。取り敢えず学長室へと行きますよ。」
「へ、なんで?」
何故学長室へ行く必要があるのだろうか。不登校とはいえ学園に在籍しているはず……それならば自分のクラスに行けば良いだけなのでは?
そのような疑問を察したのか、マリッサは
「ええと、まさかあの事を忘れたのではありませんよね……?まあ行けば分かります。行けば、」
苦笑いしながらそう言うのみだった。
う~ん、心当たりがちょっと有りすぎて分からない、以前のエリザベスはワガママだったからなぁ。