半年ぶりに会った婚約者
7月、イチヤ王子はやって来た。
うん、来たんだが何!?なんかアイドル化してるんですが?いつの間に……
「エリザベス、なんかどこかの貴族御抱えの画家が描いた肖像画がいつの間にやら広まってこんなことになったらしいわ……」
友となったマリアはそう言う。
なんかいろいろと厄介なことにならなければいいけど……なんか心なしか後ろからの視線がすごい気がします。
「やぁ!半年ぶりだね、エリザベス王女。」
なんなのだろう?前に会ったときとなんか違うような気がする。
「お久しぶりですわ、イチヤ王子。」
「イチヤでいいよ。」
ようやく落ち着いたのはイチヤ王子が王宮に着いてから1時間後だった。
「取り敢えず私の友人を紹介します!」
友人とは、マリアとアベルとヘンリー、そしてションちゃんだった。
それぞれ自己紹介をしてイチヤ王子はにこやかに返していく。だけど、ションちゃんの時だけはどこかおかしかった。
「う~ん、なるほどね………」
何だかよくわからない反応だった。
「どうかなさったのですか?」
「あ、みなさん。ちょっと二人で話したいから席はずしてくれないかな?」
四人はいかにも分かっていますよみたいな反応でぞろぞろとその場を離れていく。
ちょっと!私を置いていかないでよ。二人きりとか気まずくない?




