9.俺、力の差を見せつける
…8色のスライムが出てきて、どんな魔法も防げる(つもり)ってことは、色が属性に対応してるんだろうなぁ。
結果は見えてるけど、一応、確かめるか。
俺はタコに魔法を撃ってみた。
当然、威力は思いっきり押さえてある。
「ふぁいやあぼおる(棒)」
ボッ。
俺の魔法に反応し、赤いスライムが壁を作る。
なるほど、赤は炎に強いのか…。
ジュッ! バーン! ジュウゥゥゥゥゥ!
ファイヤーボールは壁をぶち抜き、タコに当たった…。
直撃を受けた赤スライムは即死。タコはデカいから小ダメージで済んだようだ。
それじゃ、次は氷だ。
「あいすぶれっと(棒)」
ヒュッ。
反応したのは白いスライム。同じように壁を作った。
パーン。 ピキピキメキメキ…。 カチーン!
冷凍弾は壁で破裂。壁全体を凍らせた…。
…白スライム、本当に冷気に耐性あるのか?
結果は見えてるけど、もう1種類やってみよう。
新しい属性に挑戦だ。
「えれきぼおる(棒)」
パチ。
黄色いスライムが壁を作る。
ビビビビビビビビビ…。 ドサドサ…。
雷球の着弾と同時に電流が壁全体に流れた。痺れたスライムたちは崩れ落ちた…。
…もう、何も言うまい…。
いやいや、いくら何でも弱すぎじゃね?
これなら色関係なしに、みんなで分厚い壁作る方がマシじゃね?
…スライムじゃ、そこまで賢くないか…。
「お、おのれ…。スライムのくせに、こんな強力な魔法を…」
金メッキが何か言ってるけど、もういいよね。
さっさと片して、ハーピーを家に帰そう。
俺は全力で魔法を撃つ。
「ファイヤァーー、ボォーールッ!」
バチバチバチバチ…。
……。
…なんか、とんでもない物が出たんですけど…。
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
俺は火の玉を撃ったと思ったら、消滅の魔球が出た。
タコより大きな光り輝く球体がバチバチ言いながら出て、全てを一瞬で消しちゃったんだ…。
まさか…プラズマ!?
うーむ。全力で魔法を使うのは控えた方がいいな…。
「スライムさん、ありがとう」
「!?」
声の主はハーピー。
俺、ハーピーの言葉がわかるようになったよ。
…でも、何でだ?