83.俺、仕事人な能力を手に入れたぞ
暴食の残念っぷりを考えていた俺は、1つの仮説を思いついた。
それは、ポケットなモンスターで言うタイプ不一致ってやつ。
アラクレは暴食とタイプ一致だったから、性能を100%発揮できた。
俺はタイプ不一致だから、それができなかった。
そう考えると、検証結果も納得できる。
うん、そーゆーことにしておこう。
持ち主を食べて使えるようになった能力には、過大な期待をしちゃいけないってことで。
そういえば、アラクレって他には能力を持ってなかったのかな?
折角だから調べておこう。
魔法は…変化なし。
能力は……ちょっ!? マジっすか!?
アラクレが持ってたのは、単分子ワイヤと地脈操作。
単分子ワイヤは、まあわかる。
クモ糸の進化系だろうからね。
でも、地脈操作はサプライズ。
地脈をいじると、肥沃な土地を不毛の荒野に変えることもできる。もちろん、その逆もだ。
そんな能力を持てるのは、それだけ力がある者に限られてる。
つまり、アラクレは、かなり上級のモンスターだったわけ。
その気になれば地脈の乱れを鎮められるって話も、あながち嘘じゃなかったってことだ。
しかし、これは僥倖だったな。
今回の件じゃ無理だろうけど、俺も地脈をアレコレできるようになったわけだ。
どこまでできるかは不明だけどね。
それじゃ、能力を試してみるか。
地脈操作は地味だし副作用が怖すぎるから、単分子ワイヤの方ね。
当面の目標は三味線屋、最終目標は元七武海かな。
分身を駆使して、鬼の哭く街の門番(No.11とNo.12でも可)的な技も使いたいところだ。
まずは糸を出してみよう。
頭の天辺からシュッと…うん、出たな。
ただ、アラクレが出してたのより細いな。
まあ、単分子だから太さは関係ない。大事なのは性能だ。
次は操ってみるか。
レッドスネークカモン。
…おお、ヘビっぽく動かせたぞ。
グリーンスネークカモン。
…おお、二匹目も動かせた。
それじゃ、図に乗って、イエロースネークカモン。
…おお、三匹目も動かせた。
しかも、よくよく見たら、ちゃんと色が違ってる。
俺、もしかしてタイプ一致してる?
それじゃ、次は属性を付けてみよう。
マジもんの斬撃を使いたいから、斬属性を持たせてみる。
目標は5メートルほど離れたところにある岩でいいな。
ナゲナワグモになったつもりで糸をピューッっとね。
……。
おうふ。
超音波メスを使ったみたいにきれいに切れましたぜ。
断面は鏡面。いやいや、切れ味良すぎだろJK。
これ、斬られた相手がしばらく静止してたら、その場で治るレベルじゃね?
まさか…、俺、既に元七武海の域に達してる…?
元七武海は、そこら中を糸にして操ってた。
それができれば、俺も同レベルってことだ。
それじゃ、そこにある石を糸にして……できたよ。
先端を針のようにとがらせて、さっきの岩を貫け……ちゃったよ。
ひょっとして、糸一本でも貫ける…?
ダメ元で、えいっ!
…あ、できちゃった。
俺、三味線屋だけじゃなく、飾り職人にもなれました。




