表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/150

8.俺、オリジナル魔法に成功する

 黒いマネキンが魔法を使う。

 両手を浣腸カンチョーの形にして俺に向け、親指を倒した。

 うん。真っ先に思い付いたのがそれなんだ。すまない。

暗黒弾ダークブレット

 拳大の漆黒の弾丸が俺に迫る(棒)


 …いや、ショボくね?

 これ、黒スライム2匹分の威力だよね?

 超巨大熊の火球の1/5ぐらいなんですけど?

 どう見ても脳筋なモンスターの魔法以下の合体魔法って…。


 いや待て。何か、特殊な効果があるのかもしれない。

 じゃあ、一応(かわ)すか?

 うーん、どうせなら、跳ね返したほうが良くね?

 じゃ、そーゆーことで。


ハンズ・アワー(半沢)!」

 オリジナル魔法が成功した。ネタが古いのは勘弁ね。


 俺の前に光る両手が現れた。俺よりでかいのはお約束――じゃなくて、全身をカバーするんだから当然だな。

 右手が暗黒弾を受け止め、左手が合わさる。

 空中に数字が浮かび、カウントダウンが始まる。

『3、2、1、ゼロ』

 両手が開く。

 それぞれの手に暗黒弾が乗っている。大きさは元の倍だ。

 うん、とってもわかりやすい。


 右手、左手の順で、暗黒弾を投げ返す。

 4倍ぐらいの速さで投げ返された暗黒弾は、黒いマネキンを消し去った。 


 ……。

 …いや、黒スライム、マジで弱すぎだろ。


 跳ね返してわかった。

 暗黒弾は、闇っぽい属性を持った、ただの魔力弾。

 威力は俺が感じたとおりで特殊な効果は一切無し。

 で、サイズと数と速さを倍にして返した暗黒弾で、数えたら22体いた黒いマネキンが全滅…。


 ギミックは悪くなかった。でも、実力は…。

 言っちゃ悪いけど、見掛け倒しの雑魚そのものじゃん。



「う、嘘でしょ!?」

 あ、金メッキが思いっきり動揺してる。

 タコの頭も気持ち青くなったような…。

「エエエエエエエイユ様、どどどどどどうしましょう?」

 うわっ! これ以上ないぐらい動揺してるよ。

 これ、金メッキもタコも雑魚で確定だな…。


「あああ慌てるでない。おおお前の全力を出し尽くせば、きききっと勝てる」

 …もう何も言うまい。生暖かい目で見ていよう。


 タコは茹でたみたいに丸まった。

分裂盾ディビジョン

 つるつるだった足に吸盤…じゃないな、プチプチ(正しくは気泡緩衝材)みたいな突起ができ、そこから同じ色のスライムがポコポコ出てくる。

 …何がしたいんだろう?


「どうだ! 見たか! オクトスライムの切り札よ! どんな魔法もこれで防げるんだから!」

 …この世界のスライム、やっぱり雑魚でした。俺が黒スライム(が合体した黒いマネキン)を全滅させたこと、もう忘れてるようです…。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ