72.俺、クモの魔物と対峙する
岩は埋まってた部分も吹き飛んだ模様。
それなりのクレーターが出来た。
うん、これで二個目だな。
クモの巣も消えたし、細い糸も消えた。
これで地脈が落ち着きそうなら、晴れて一件落着だ。
などと思ってたら、ニューカマーっぽい声がクレーターから聞こえる。
「ちょっとアナタ、何てことをしてくれるの!?」
あちゃー。
これって、もしかしなくても、本体は無傷だったというお約束だろうなぁ。
声が終わると土砂が間欠泉みたいに噴きあがる。
スケールは小さいけど、地底怪獣の登場シーンだな…。
やがて土の中からクモの足……にしては、紅いな。
ゆでたカニみたいな色だ。
とにかく、そんな物が出てきた。
おかしいな。
俺が見たシルエットは、あくまでもクモだ。
タラバならハサミを入れて八本足だけど、断じてハサミはなかったぞ?
やがて姿を現したのは、そこかしこに絆創膏を貼ったクモの魔物。
あ…さすがにダメージは受けたんだな。
で、そのクモ、探知で視たシルエットよりも一回りデカい。
しかも、頭の上に人の体が生えてる。
いわゆるアラクネ…なんだけど…。
人間の部分が、角付きの鉄仮面を被ったムキムキのおっさん――イメージ的にはDQのあらくれ――なんだよ…。
で、そいつがバリバリのニューカマーっぽいんだ。
鉄仮面はデコデコ。光り物やらイラスト(?)やらがビッシリ。
クモの足が紅いのは、ペディキュアだろうな。
アラクレ――雄だからアラクネじゃないよね?――は、ぷんすか口調で俺に問う。
「幻の闇水晶をここまで育てるのに、いったいどれだけかかったと思ってるの?」
はて? 俺が砕いたのは岩で、水晶っぽいものは無かったと思うが…?
まあいい、適当に答えておこう。
「14万8千年ぐらい?」
「ブッブーッ! 16万8千年よ!」
アラクレはどや顔で返してきた。
でも、俺に悔しさは1ミリもない。
なんとなく浮かんだ数字を言ったのに遠くなかったから、むしろ満足している。
2万年の差は、40年ほどの間に観測精度が上がったからだろう(謎)
しかし、アラクレって、そんなに長生きなのか?
いや、天部の神ならわかるよ。短命な四天王でも寿命が900万年以上あるから。
でも、アラクレがそこまで大物とは思えない(決めつけ)
せいぜい悪魔レベルだろう。
で、DxDな悪魔の寿命は確か一万年とかだったと思う。
怪しいな…。
「ふーん。で、それを証明できるモノはあるのか?」
「無いわよ。そもそも、ワタシも正確な期間なんて知らないし」
「あっ、そう。じゃあいいや。それじゃ、本題。地脈を乱してたのは、お前だな?」
「否定はしないわ」
「だったら話が早い。地脈を乱すのをやめてもらおうか」
「それはちょっとできない相談ね」
「ほう。一応、理由を聞いておこうか」
「幻の闇水晶が壊れちゃったからよ」
な~~にぃ~~!? やっちまったか!!!?




