71.俺、空を斬る
これは自分の目で確かめるしかないな。
俺はSDGで現場に向かった。
クモの巣っぽい闇属性は地上にしかなかったから、空から行けば大丈夫だろう。
念のため、視覚と探知は限界まで強化してある。
「!?」
俺は巣の少し手前で瞬時停止。危うく難を逃れた。
巣の上空には、単分子ワイヤ並みに細い糸が張り巡らされてたんだ。
細すぎる上に無属性だから、さっきの探知に引っかからなかったわけ。
おそらく、これで鳥なんかを獲ってるんだろうな。
岩本体は目視できた。
タケノコみたいな形でゴツゴツしたのが埋まってる感じだ。
透視できないから確実じゃないけど、地中部分はとてもデカい気がする。
氷山みたいなイメージだな。
それじゃ、軽くちょっかいを出してみますか。
ここまで見た範囲じゃクモっぽい何かだから、まずは炎で様子見だ。
「ファイヤーブレス!」
灼熱の炎が……細い糸に散らされた!!
…いや、ここは燃えようよ。炎に強いクモの糸なんて、誰も得しないでしょ?
まあいい。燃えないなら凍らせるまでだ。
「アイスブレス!」
極寒の吹雪が……細い糸に散らされた!!
…いやいや、ここは凍るとこでしょ?
☆
うーん。
細い糸、冗談みたいに強いです。
地水火風の四属性や派生形じゃビクともしやがりません。
下手な単分子ワイヤなんて目じゃないよ。
無策で突っ込んだら、SDGもバラバラにされたかもだよ。
仕方がない、プラズマで消滅させよう。
「消滅弾!」
さすがはプラズマ球。細い糸を消しながら……途中で消滅した件。
……。
…。
なるほどね。
細い糸は、触れたモノのエネルギーを地上のクモの巣に逃がしてるのか。
細い糸のエネルギーの吸収率と伝導率は、非常識に高いと見える。
で、クモの巣は、そのエネルギーを岩に送ると。
敵ながら、よくできたシステムだな。
細い糸を何とかしないとクモの巣にも岩にもダメージを与えられないわけだ。
これ、ある意味、多層積載型の防御結界だな。
だがしかーし、そーゆーとき用の技もちゃんとあるんだな、これが。
目標物に当たるまで実体化しない技でもいいけど、今回は闇属性だけを撃つ技を使おう。
暗黒な闘気だけを撃つ技の応用版だ。
俺は闇属性にだけ反応する――そうじゃない物は素通りする――X型の斬撃をイメージする。
当然、パワーもスピードも目いっぱい込める。
「斬クロス!」
闘気の刃は細い糸を素通り。
狙い通り、岩に吸い込まれた。
ピシッ!
岩のそこかしこに亀裂が走った。
ババーーーン!
そして爆散。
デビルじゃなくても斬撃は岩を砕けた。
斬には衝撃の効果もあるんだなぁとしみじみ(すっとぼけ)




