61.俺、多次元世界の謎に直面する
俺は2匹に問いただす。
「なあ、お前たち。ドワーフの都市のあたりで、トゥームラフレシアに何かしただろ?」
「「うわっ! グミがしゃべった!」」
なん…だと…。
こいつら、どこでそのネタを仕入れたんだ…?
それは俺が番外編で言われたセリフだぞ…。
ああ。最初の感想も次の感想もソコに触れてたって、創造主は困惑してたよ…。
バキッ! ガシッ! ゲシゲシッ!
2匹はエルフたちにボコられた。
全身着ぐるみの2匹を、パジャマ風の着ぐるみエルフがケルナグール。
なぜか適度にスモークがかかる。
星や絆創膏のエフェクトも飛ぶ。
人数分より多い手足がスモークから飛び出す。
はい。バイオレンスな場面なのに、めっちゃコミカルです。
「顔はやばいよ、ボディやんな、ボディを」
「貴様ら! ダール様に対して何たる暴言!」
「命が要らんと見えるな」
「身の程をわきまえろ!」
あー、服装はともかく、こーゆーところはエルフだねー。格下に対して1ナノメートルも容赦ない。
そして…、ダフネ…恐ろしい子!
お前は政界進出でも狙ってるのか?
どこでそのネタ仕入れたんだ?
まさか…、天上界…? あり得るな。
「か、勘弁してくだせぇ。この辺のスライムは、エイユ様と一緒に消えたって聞かされてたんでさぁ」
「エルフより偉そうなスライムなんて、いると思わないニャ」
ゴンッ! ドーン!
ダフネの鉄拳!
鳥に大きなコブができた!
さらに雷神拳!
猫は軽くエビ反って宙を舞った!
うわぁ…猫にコレはきついよね…。
こいつは当分ダメだな…。
「スライムではない! ダール様であらせられる!」
「あー、ダフネ、ちょっと落ち着け。みんなもだ」
むう、ダフネもヤバいやつだったのか。いろんな意味で。今後は要注意だな。
俺は雑魚っぽい口調の鳥に問う。
「お前、エイユを知ってるのか?」
「へ、へい。ワオ様と同じ四天王だったお方でさぁ」
「ほほう。するとお前たちはワオの手下か」
鳥は慌てて口を覆った…。
なんだかなー。
俺、子ども向けの着ぐるみショーをやってる気分になってきたよ。
☆
聞きたいことは聞けたので、2匹の処理はエルフに任せた。
この後どんな扱いを受けても、それは俺の知るところではない。
それじゃ、ワオを探してチャチャっと片付けますかね。
ワオは元々は大きいだけ――特に頭が――の虎だったそうだ。
それが、フクザってやつに名前を貰って魔王になって、その力で鋼鉄のゴーレムと合体したんだと。
鋼鉄と合体ってのが気になるけど、とにかくデカいやつらしい。
なので、異常にデカいやつを見つけて、そいつに虎縞があれば、ワオで決まりだ。
俺はSDGで空を飛んだ。
マッハで移動しながら探知すれば、すぐに見つかるに決まってる。
ふっふっふ。瞬時停止は、こーゆー時にも役立つのだよ。




