60.俺、自分の種族を知る
逆に考えよう。
あられや雪でダメージを受ける前に、弱点に気付けたんだ。
これはラッキーだったんだよ、うん。
普段の外出はスライダークゴーレム――長いから、以後はSDGで――があるから大丈夫。
サンシャインシールドは、天候に合わせて調節すればいい。
今は対太陽光だけど、たぶん砂嵐も防げると思う。この世界の砂がPM2.5サイズだとまずいかもしれないけど、そこまで小さくないよね?
あられと吹雪と雪は、防水と断熱ができるオーバーボディタイプにすれば大丈夫だろう。
俺は呼吸不要だから、窒息死はしないはずだ。
ちな、今は反射材の細かい粒を纏ってるんだ。そう、光を反射し、熱は逃がす。でも、水分は逃がさないってやつね。
それじゃ、最後に俺の種族を確かめてみよう。
……。
…。
なるほど、サンスライムか…。
あ、太陽じゃなくて、子の方だよ?
らしいっちゃ、らしいよね。
進化の諸々は、これで一区切りついたな。
☆ ☆
翌日、俺はエルフの集落とドワーフの都市に出かけることにした。
目的は2つ。
SDGを見せておくことと、分身を常駐させることだ。
いや、昨日さ、SDGであちこち飛び回ったじゃん。
そしたら、エルフとドワーフから緊急連絡が来たんだよ。「翼のない鳥が現れました!」って。
説明して納得してもらったけど、現物を見せてスッキリしてもらおうってわけ。
分身の方は、4体出せるようになったから有効利用だ。
SDGみたいにやらかした時に即説明できるし、ワオの警戒もできる。
☆
エルフの集落に分身を残し、ドワーフの都市にも分身を残した俺は、エルフの集落にいる。
ドワーフの都市にいたときに、エルフの集落で動きがあったんだ。
分身経由でリアルタイムに見ていた俺は、エルフの集落に急行した。
早速分身が役に立ったわけ。
「……」
無言で見つめ合う分身と俺。
どや顔のダフネ以下エルフたち。
俺たちの前には、縛られた緑の鳥と桃色の猫がいる。
……この二匹、土曜の朝にTVで見る姿に似てるんだが…。
そう、頭が大きな着ぐるみ的な外見で、二足歩行なんだよ。
顔つきや色使いなんかは別物、見るからに小悪党なんだけどね。
なあ、ドワーフたち。
この二匹はどう見ても怪しいだろ?
人間みたいに二足歩行する鳥や猫なんて、普通の魔物じゃないよね?
エルフはそう言ってたぞ?
しかも、会話できたんだろ?
他人を疑うかどうかじゃなく、これは『変わったこと』だよね?
分身を通じて、よく言い聞かせておこう。
またまた分身が役に立ったぞ。
それはそれとして、だな…。
手下がこれってことは…、まさか、ワオって…。




