53.俺、プランBに取り組む
魔物の件は、ひと段落した。
昨晩調べたら、ナゾノツボミは一体もいなかった。
うん。昼間のマーブ・エクスティンクションで、ナゾノツボミも殲滅できてたんだ。
どうやら、ナゾノツボミは空が晴れていれば次々と魔物を生やせたらしい。
夜間は太陽光がないからゆっくり一晩かけて熟成。昼間は太陽燦々で促成栽培ってところだな。
そのおかげで、俺の探知に引っかかった模様。
結果オーライだね。
まだワオと手下たちは残ってるから、安心はできない。
と言うわけで、エルフとドワーフは俺の庇護下に入りました。
必然的に、彼らの行動範囲は俺の勢力圏ってことになります。
俺、その気はないのに魔物の王みたいになりつつあります…。
さて、今日の課題に取り組もう。
弱点克服プランBを完成させるんだ。
と言っても、機能的には完成してるんだよね、これ。
ただ、見た目が今ひとつなんだよ。
だからお披露目できないわけ。
ソロプレイだったら、見た目は大して問題じゃなかった。
でも、ハーピーにエルフにドワーフが下についてる今、見た目はすごく重要なんだ。
主にエルフのためだけどね。
エルフは人間と交流がある。
その上に立つ俺が見た目で舐められると、エルフまで舐められちゃう。
いや、集団のトップとメンバーって、そういうものだからね。
そんなわけで、威厳と気品と強さを体現する色使いを考えてるところなんだ。
これがなかなか決まらないんだよねぇ…。
☆
ふっふっふ。
やりましたよ。
遂に完成しましたぁーーーっ!
見たまえ!
これが二段構えの太陽光対策!
スライダークゴーレムとサンシャインシールドだぁーーーーっ!
それでは説明しよう。
まず、スライダークゴーレムだ。
戦闘力53万の人が乗ってたメカに発想を得た、浮遊型のゴーレムだ。
外形もリスペクトさせてもらった。
玉座の代わりにもなるから、何かと都合が良いだろう。
材質はスライダークメタル。俺の全知識を駆使して創造した、Zな超合金を超える魔法金属だ。
軽くて強くて各種耐性もバッチリ。形状記憶はもちろん、自己修復機能も付いてるぞ。
ボディカラーは漆黒。ダークと呼ぶにふさわしい。
透明だが熱線と紫外線をカットする半球型のキャノピーが付いてる。
コックピットは空調も完璧だ。
浮遊型にしたのは、会話の時に相手の顔の高さに合わせられるからだ。
うん、さすが俺だな。
通常はこれで十分だと思うが、さらに念を入れたのがサンシャインシールドだ。
えっ!? どこにあるのかって?
よーーーく見てくれ。
俺の体色、前と少し変わってるだろ?
青で淡く光ってるのは同じだけど、角度によっては少しゴールドが混じるんだ。
それがサンシャインシールド、スライダークゴーレムを降りなきゃならない事態への保険だ。
効果は単純で、直射日光を防いでくれる。
これで狭いところでも安心だ。
さて、早速お出かけしてみるか。