49.俺、エルフとドワーフを見直す
「大丈夫でありますよ、ダール様。ナゾノツボミは魔物であります。だから、問答無用で全部退治するのであります」
「その後のことは、私たちにお任せください。エルフとドワーフが力を合わせれば、森をあるべき姿に戻せます」
なん…だと…。
厚い雲の切れ間から、一条の光が差してきた。そんな気分だ。
「すまん。簡単に説明してくれ」
「吾輩たちドワーフは、土の妖精であります」
「私たちエルフは森の妖精です」
「ああ、そういうことか! ドワーフが土を整えて、エルフが植物を呼び戻す。それで森が元に戻るんだ!」
「その通りであります」
「ですからダール様、存分にお力をふるってください」
うん、がぜんやる気が出てきた。
しかも、自主規制がひとつ要らなくなった。これはラッキー。
いや、今まではさ、いかに森の被害を抑えるかが重要項目だったわけですよ。
でも、多少は大丈夫ってわかれば、力技も使えるじゃん?
草を一本一本むしるより、草刈り機を使えば楽でしょ?
あ、除草剤の空中散布は自重しますよ。
ナゾノツボミの件は一応解決。
次は、トゥームラフレシアが魔物化した件だな。
「植物が魔物になるって、よくあることなのか?」
「そうでありますな、詳しく調べたわけじゃないでありますが、100年生きると魔物になるらしいであります」
「月日の光を1000年浴びると格が上がると聞いたことがありますわ」
「なるほど。トゥームラフレシアって、芽を出してから枯れるまで、何日ぐらいだ?」
「1週間から10日ぐらいですわ」
「じゃあ、トゥームラフレシアは自然に魔物になったわけじゃないんだな。何か心当たりはあるか?」
「私の方は特に…」
「吾輩も同じであります」
そうか…。
魔物になった原因がわからないんじゃ、本当の解決はできないな。
「魔物はいきなり増えたんだろ? その前に、何か変わったことはなかったか? 何でもいい、思い出してくれ」
「あの、いいですか?」
族長たちから言葉はなかったけど、ドワーフの護衛が手を上げた。
「何かあったでありますか? 言ってみるであります」
「はい。見たことのない緑の鳥と、桃色の猫が森にいました。族長、あの2匹は何だったんですか?」
「ああ、あれでありますか。あの2匹は、森の植物の調査に来てた、なかなか感心なやつだったでありますよ? なあ?」
「はい」
族長がもう一人の護衛に話を振った。
振られた護衛は頷きを返し、もう一人に語る。
「なんでも、住んでる地域のトゥームラフレシアが急に減ったから、他の地域の様子を調べに来たって言ってたぞ」
「それで、吾輩たちも協力したであります。調査が終わった花に肥料をやりながら、このあたりを全部回ったでありますよ」
「なんでも、その肥料をかけると、トゥームラフレシアが沢山実をつけるって言ってたな」
「なんだ、そうだったんですか。安心しました。族長、ちゃんと確かめてくれたんですね」
「当然であります」
…いや、ドワーフたちは笑ってるけど、その2匹、怪しすぎるだろJK。




