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48.俺、気落ちする

 俺たちはナゾノツボミが生えている場所に到着。

 今はつぼみじゃなくて、花が咲いてるけどね。

 エルフとドワーフのメンバーは、昨日と同じ6人だ。


 邪魔になりそうな雑魚(魔物)は、出発前に一掃した。

 ついでだから、都市付近の雑魚もまとめて全部片した。

 なーに、威力を調整したマーブ・アタックを一発撃っただけですよ。

 これだけ大規模でド派手な魔法を見たことがあるはずもなく、ドワーフとエルフは全員固まってました。

 俺の実力を見せておく意味じゃ。ちょうどよかったと思う。



 この場の警戒も万全だ。

 分身を1体出して任せてる。

 いや、さすがの俺も、会話しながらの全方向警戒は無理です。


「これが問題の植物でありますか?」

「ああ。花の真ん中に太い茎が残ってるだろ」

「何かがちぎれた後みたいですね」

「そう。そこから魔物が生えてくるんだ。昨夜はまだ蕾で、イノシシが付いてて育ってるところを見た」

「な、なんと!」

「しかもだな、魔物を切り取っても、直ぐに新しいのが生えてきた。それも、前より強いやつ」

「お、恐ろしいでありますなぁ」


 どうやら、花が咲いた状態で魔物を送り出すと、新しい魔物は生えてこないようだ。


 それにしても、だ。

 ナゾノツボミ、地球の植物じゃあり得ない性質を持ってるんだ。

 本体は植物で間違いないと思う。外観もそうだし、においとか、触感とかもそうだもん。

 ところが、生えてくる魔物は正真正銘の動物なんだよ。

 地中の部分がどうなってるのか、個人的にすごく興味がある。


 その前に、本題を片付けよう。 


「そこで、お前たちに確認しておきたい。この植物を一本残らず駆除していいか?」

「なぜ、そのようなことを私たちに?」


 予想はしてたけど、エルフにもドワーフにも、食物連鎖の概念はなかった。

 俺は要点を話し、6人に納得してもらった。


「それで、確認だけど、ナゾノツボミは元々この森に生えてた植物なのか?」

「少しお待ちください。今調べます」


 ダフネが花びらに手を当て、目を閉じた。

 アニメとかでよくある、植物と意志を通わせるシーンみたいに見える。


 ダフネは目を開くと、首を横に振った。


「この子たちは、トゥームラフレシアが魔物化したものです」

「トゥームラフレシア? じゃあ、元々この森に生えてたのか?」

「はい。生き物の死骸に生え、その形の実を付ける花です」

「魔物化したってことは、元には戻せないのか?」

「はい。魔物になったものは、姿も性質も変わります。この子たちは完全に魔物になっていますので、元には戻せません」

「そうか、在来種だけど、全部駆除するしかないのか…」


 ああ、こんなケースは考えてなかったよ…。

 俺が何をどう頑張っても、森は元に戻せないんだ…。

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