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5.俺、子どもの相手をする

「ゴメン。俺、お前の言葉がわからないんだ」

「キキィ?」

 ハーピーは不思議そうに首をかしげた。

「お前は、俺の言葉がわかるんだよな?」

「キィ」

 ハーピーはこくりとうなずく。

 小説ラノベ的に考えると、スキル『異世界言語』が半分だけ機能してる状態だな。


 この状態、俺が絶対者で暴君なら、実に都合が良い。

 だってさ、命令は伝わるけど、不満の声は聞こえないんだもん。理想的じゃん。

 ま、無茶してたら後ろから刺されるだろうし、そもそも暴君になる気は1ミリもないけど。


 それはさておき、この状態でも、コミュニケーションは取れる。

 世界のあらゆる事象は『はい』か『いいえ』で答えられる。

 つまり、上手に質問すれば、望む答えが得られるわけ。


 ということで、質問開始。この子を家に帰してあげよう。


「そっか。じゃあ、俺が質問するから、『はい』か『いいえ』で答えてくれ」

「キィ」

「お前、子どもなの?」

「キィ」

 頷いてるから『はい』だ。

「家に帰りたいよね?」

「キィ」

「一人で帰れるかな?」

「キーッ」

 首を横に振ってる。『いいえ』か。

「それは、家の場所がわからないから?」

「キーッ」

「じゃあ、夜は目が見えないから?」

「キーッ」

「確認だけど、夜でも目は見えるのかな?」

「キィ」

 うーん。迷子じゃない子どもが家に帰りたいけど帰れないって、どーゆーことだろ?

 やっぱ、縛られてたことと関係が……あるんだろうなぁ。


「じゃあ、俺が一緒に行けば、帰れるかな?」

 …。

 ハーピーは無言で首を傾げてる。

 これは、俺次第ってことだろうな。

「よし、じゃあ今から行こう」

「キキィ!?」

 ハーピーが驚いた顔で俺を見た。

「なーに、心配するな。俺、こう見えて結構強いんだぜ」

「キィ」

 嬉しそうに頷くハーピー。

 予想通り、道中に危険がある模様。

 …確かに、この子じゃ大猿やオオトカゲが相手でも厳しい感じだもんな。

 それに、巨大猿より強いモンスターもいるかもしれないしね。


 でも、俺ならなんとかできるでしょ。

 いざとなったら熊破斬ベアスレイブもあるしね。

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