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39.俺、エルフの話を聞く

 さて、本題に入るか。


「俺たちに助けてほしいって話だけど、どういうことだ?」

「はい、魔王配下の魔物が急に増え、ヒノキソの生き物が危機に陥っているのです。お恥ずかしい話ですが、その中には私たちエルフも入っているのです」

「魔王!? 魔王って、まだいたの?」

「まだいたの…とは?」

「ああ、もうひと月以上前だな、金メッキ…じゃわかんないか。オーロスライムのエイユってのを倒した」

「な、なんと!? エイユが消えた話は私たちも知っていましたが、それがダール様のおかげだったとは…」


 おお、エルフたちが凄い人を見る目で俺を見てる。

 これは悪い気はしないな。


「いや、大したことじゃない。バカみたいに大きな熊に比べたら、全然雑魚だったぜ」


 調子に乗って聞かれてないことを喋ったら、エルフたちが直立不動でビシッとした件。

 もしもし、どうしました?


「ダダダダダダダダール様様様、そそそそそそのく熊まままっててててててて、すすすす少し離れたも森森森にいたりしましませんでした?」

「ああ、そうだが。赤銅色で、口から火球ファイヤーボールを吐き出すやつ。後になって名前持ち(ネームド)って聞いたな。名前は知らんけど」

「はっ、ははーーーーーっ」×10


 急に挙動不審になったリーダーに答えたら、エルフたちがジャンピング土下座(本日2回目)しちゃいました。

 何? あいつ、デカいだけの森のクマさんじゃなかったの?


 俺はハーピーたちを見た。全員が首を振る。

 当然だな。知ってたら、とっくの昔に大騒ぎだよ。


「なあ、いちいち土下座してたら話が先に進まないだろ? 少しは考えろよ」

「はっ、ははーっ。ですが、アカドウはムラセイの絶対王者。冒険者ギルドでも手を出せない最強の魔王だったのです。しばらく姿を見せないと聞いていましたが、まさかそれもダール様のおかげだったとは」


 おうふ。

 アカドウってのは、熊の名前だろうな。あいつ、そーゆー名前だったのか。

 それはいいとしてだな、あれが最強の魔王!? 冒険者ギルドでもお手上げ?

 いやいやいやいや、またまた御冗談を。

 この世界の人間って、どれだけ非力なの?


 まあ、その件は後でゆっくり聞けばいい。


「だからさ、先に自分たちの話をしようぜ。な?」

「は、はい。ヒノキソにはワイルドタイガーのワオという魔王がいまして、一対一ならアカドウの方が強かったのですが、ワオには強力な配下がたくさんいまして…」


 …なんだろう? なんとなく土曜の朝の気分になったぞ。2時間早い方はライガーだけどな。


「…それで、どうやらワオはエイユが支配していた地域を手に入れようとしているようで、めぼしい魔物に手当たり次第に名付け(ネーミング)をしているのです」

「わかった。そういうことなら力になろう」


 金メッキがいなくなって平和になったのに、別のやつにノコノコこられたら迷惑だよ。

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