37.俺、落ち込む
それじゃ、エルフにいろいろ聞いてみますか。
「おい、お前ら、これは何の真似なんだ?」
「フン。スライムごときに話すことなど無い!」
騎士鎧の片方が吐き捨てた。
ハーピーたちが殺気全開で騎士鎧を睨む。
エルフたちは全力でビビった。
涙目でガクブル状態。
当の騎士鎧は白目をむいて気絶してる。
こいつは当分ダメだな…。
このままじゃ話が聞けない。
俺は睨むのを止めさせた。
「もう一度聞くぞ。お前ら、何で襲い掛かってきた? 誰でもいいから答えろ」
エルフたちは答えない。というか、怖くて答えるどころじゃないんだろうなぁ。
まあ、無理もないけど。
探知で強さを見たら、エルフ10人でもハーピー1人に勝てるかどうかってとこ。
それが15人いたんじゃ、ねえ…。
「貴方たち、ダール様が答えるようにと仰っているのが聞こえないのですか?」
マリューがメイド服の一人に問いかける。
言葉は丁寧だし、笑顔なんだけど…、目が笑ってません。
これ、逆にメチャメチャ怖くね?
あれっ?
エルフたちから脅えが消えたぞ?
これはアレか?
俺がスライムだから、反応しなかったってことか?
スライムの言葉は聞こえんなぁ的なやつですか?
あ、少し落ち込んできた…。
「ダ、ダール様がいらっしゃってるのですか? お願いします。ぜひとも会わせてください!」
問われたメイド服がすがるように声に出し、その場で平身低頭した。
えーーーっと、もしもし?
俺、よーーーーーく見えるところにいるんですけど…?
これは…、恋した乙女によくあるアレと同じですか?
…いや、アレは意中の男性以外はみんなカボチャとかに見える現象。外見は自動変換されるけど、存在自体は認識できてるわけだ。
ってことは……今の俺、カボチャにすら見えてない!? 存在自体が認識されていない…とか?
うわー、凹むなー(棒)
言葉に抑揚をつける気が起きないくらい落ち込んだなー(棒)
それでも、読点とルビは付けられるんだなー(棒)
あ、マリューが俺を持ち上げたぞー(棒)
いつもより柔らかいから持ちにくそうだなー(棒)
落ち込んでるからって、身内に余計な手間をかけさせるのはダメだな(少し棒)
よし、落ち込むのはここまでだ。
「おいマリュー、何をする気だ?」
「そんなの、決まっていますわ。ダール様の偉大なお姿を、嫌と言うぐらいに見せつけてやるのです」
「そ、そうか…。わかった、任せるよ」




