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33.俺、ルビコン川を渡り始める

 念話のマスターはあっさり済んだ。


 いやね、マリューとナタルがあまりにもできないもんだからさ、たまたま近くにいたキャリーとシグリッドに同じことをやらせてみたわけ。

 そしたら、見た目ギャル組な二人は、あっさりと成功。

 お互いが見えないところでも、ちゃんと呼びかけ合うことができた。

 あとは、俺抜きで同じことができれば、「ねんがんの ねんわをてにいれたぞ!」ってなるわけですよ。

 はい、これまたあっさり成功しました。


 それじゃあということで、興味深そうに見ていたアリアとスーザン――二人ともギャル組――にも試してもらうと、またもや成功。

 お姉さん組のデボラとリアスも成功。お嬢様なスミレとJCなアミも成功。マリューはJKなリナと、ナタルは同じくJKなサツキと試してこれまた成功しました。

 …名前の元ネタは詮索しないようにお願いします<(_ _)>


 まあ、そんな調子で全員がマスターできたんだ。

 ……マリューとナタルって、実は相性がわr…いや、考えるのはよそう。



 さて、みんなの能力を過剰ともいえるほど底上げしてるのには、ちゃんと理由がある。

 それは、力を持った者なら誰もが夢見る世界征服! じゃなく、少しだけ狩場を広げるためだ。


 俺、カラスの件で思ったわけよ。

 今の狩場も狭くはない。人数を養えるだけの収穫が、ちゃんと毎日あるからね。

 でも、他所よそから狩場を荒らす奴らが来ると、心もとなくなってしまう。

 そんな不安を解消するには、狩場を広げるのが一番なんだ。


 でも、簡単にはできない。

 狩場を広げると、境界線が伸びる。その分、維持が大変になる。

 でも、人数は急に増やせない。だから、個々の力を上げてるわけ。


 ハーピーたちの狩場は、何世代も変わってない。広くも狭くもなってない。

 未知の領域に進出するんだから、戦力は過剰なぐらいがちょうどいい。

 他の集団の狩場に入ることも、当然あり得る。だから、相手が戦意を無くすぐらい強大でいい。

 そうなってれば、お互いの犠牲が最小限で済む。

 その目安を、俺はカラス1個師団に設定したんだ。


 相手と事前交渉?

 いるかどうかも分からない相手を探してる暇があったら、その時間は超振動波の練習させますよ?


 そう。全員が超振動波をマスターしたら、進出開始だ。


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 俺の予想を良い方に裏切り、超振動波のマスターは3週間で終わった。

 もしかしてダメな子? って思ってたナタルが、声帯を魔法で強化することを思いついたからだ。


 俺は、念話の次に、強化魔法を教えた。

 教えたのは、パワーやスピードを強化する魔法。基本は全身を強化する魔法だ。

 その時、応用ってことで、腕だけとか足だけとかの部分強化もできるよって説明したんだ。

 そしたら、彼女は超振動波に足りないパワーを魔法で補うことに思い至ったわけ。

 もちろん、思いっきり褒めたよ。



 ということで、明日からは狩場の拡大を始める。


 今までは住処の入り口方面に広く、反対方面はやや狭い形状だった。


 まずは、反対方面から広げていく。

 入り口方面はカラスが来た方向――飛び去った方向でもある――なので、面積当たりの獲物が少ない可能性がある。

 だから、反対側から広げるんだ。


 今までは避けてきたけど、これからは俺たちが生態系に変化を与えることになる。

 一度始めたら、後戻りはできないんだ…。

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