27.俺、今頃になって気付く
カラスは去った。
俺が消したのは多めに見て4000羽ってとこ。
残りの2000羽ほどは慌てた感じで引き返し、遠巻きにしてた大群と合流。そいつらもまとめて飛び去った。
なので、明日になっても現れなければ、当分来ないとみていいだろう。
☆ ☆
日が傾き、ハーピーたちが起きてきた。
俺は主だった者たちを集め、今日の一件を話す。
「…というわけだ。それで、聞きたいんだけど、カラスのこと、何か知らない?」
一同が首を横に振る。
ふむ。先代リーダーのビスケも、最長老――と言っても、外見は30代半ば――のリンネも知らないのか。
となると、あっても百年に一度、下手したら史上初の大事件だったのか。前世なら、テレ東が通常番組を中断して報道するレベルだな。
同時に、カラスがかなり遠くからやってきたこともわかった。
このあたりは竜王の管轄で、3ヶ月に1度、先日のグリーンドラゴンが巡回してくるんだ。
他で似たようなことが起きてたら、その時に知らせてくれる。
つまり、カラスは管轄外から来たってこと。
あいつらのことだ、この辺に来るまでも、手当たり次第に生き物を襲ってたに違いない。
で、何もいなくなったら次へ移動か。
まるでイナゴの大群だな…。
「そうか、わかった。じゃあ、もうひとつ。カラスって、食べたことある?」
これにも一同が首を振る。
まあ、これは予想できた。だって、鳥より小動物の方が狩りやすいもん。両腕が無かったハーピー時代ならなおさらだ。
「もしも、またカラスが来たら、食べてみたい?」
今度は全員が頷いた。
ふむ。そーゆーことなら、次は消すんじゃなくて氷漬けにするか。
ただ、そうなると保管場所が要るな…。
住処、みんながハーピーだった時は広々してたんだけど、今は余裕がないんだ。窮屈って程じゃないけどね。
…うん、ここは思い切って広げよう。
「わかった。今度来たら、凍らせておくよ。それと、その時のために、ここを少し広げようと思う」
「その時のためとは、どういう意味でしょう?」
「うん? たくさん凍らせて、冷凍保存しておこうと思ってな」
「冷凍保存…ですか? 凍らせると保存できるのですか?」
おぉう、これは盲点!
そうか…ハーピーたちには、食料を凍らせて保存するという知識がなかったか…。
まあ、モンスターだから当然と言えば当然か。
「ああ。獲ったものを一気に凍らせて、そのまま融けないようにしておくと、1ヶ月ぐらいは美味しいまま保存できるぞ」
「な、なんと! さすがダール様、それは天上界の知識でしょうか?」
「ま、まあ、そんなところだ…」




