22.俺、小ネタに走る
さて、どうする?
俺にとって、カラスを駆除すること自体は難しくない。
問題は、曇りか雨の日じゃないと、昼間は外に出られないことだ。
あれだけの大集団だと、ハーピーたちじゃキツい気がする。なんせ、桁が違うもん。
そもそも、なんであんなにカラスがいるのかが問題だ。
この世界はゲームじゃない。特定地点から無限湧きみたいなことは起きないし、いきなり成鳥が生まれることもない。
――おまゆう? お、俺は例外なんだよ(汗)
つまりだな、何らかの理由で他所からやってきたと考えられるんだ。
この世界のカラスも前世のと同じくらい賢いなら、集団行動はとって当然。鳥って元々そういうものだし。
前世でも、カラスやムクドリがニュースでネタになったくらいだからね。
ただ、この辺で好き放題してたスライムみたいに、普通じゃないボスが指揮してる可能性もある。
そうなると、少し厄介なんだよなぁ…。
何が厄介かって?
ボスが賢いと、集団を個別撃破しだすんだよ。敵軍の中で弱い個体から順に集中攻撃して数を減らすってやつ。
これが怖いから、ハーピーたちを投入するのは躊躇われるわけ。
☆
あーっ、もうっ! めんどくさい! 原因を考えるのは後にして、とりあえずカラスを減らそう。
調査してる間に取り返しがつかなくなったんじゃ、本末転倒――ちょっと違う気もするけど――だよ。
俺は新魔法に挑戦することにした。
理由その1.外に出歩く方法を考えるより、こっちの方が絶対に早い。
理由その2.外に出て駆除するより、こっちの方が見映えが良い。
理由その3.しょーもない小ネタを思いついた。
というわけで、早速やってみよう!
イメージするのはミサイルランチャー。箱型でたくさん撃てる奴ね。
装填するのは多弾頭誘導弾。集団の近くで分裂して、一個一個に命中する奴だ。
並行して探知を展開。カラスを一羽一羽ロックオンしていく…。
さすが俺。スーパーなコーディネイター以上の手際だぜ。
よし、準備完了! 発射!
「マーブ・アタック!」
19世紀のSFの名作で広まった火星人の姿に似た魔力弾が百発近く、洞窟から発射された。
魔力弾はカラスの集団の上空で分裂。
光のシャワーとなってカラスを撃ち抜いた。
ふっふっふ。見たかね。圧倒的じゃないか、俺の魔法は。
それじゃ、結果を確認っと。
例え100パーセント確実なことでも、それを最後まで見届けるか否かが、デキる男と残念な男の違いなのだよ。
「!?」
俺、どこかでフラグ立てた?
カラス、ほとんど減ってないんですけど…。




