16.俺、ハーレム王になる
ハーピーの住処で過ごすこと1週間。成り行きで来たんだけど、俺、すっかり居ついてます。
いやー、ちやほやされる生活、悪くないっすねー。
しかも、周りは全て♀。
そーゆーことはしてないけど、ハーレムの主な気分っすなー。
慈愛に満ちたお母さん、熟れごろ食べごろなお姉さん、気品溢れるお嬢様、ギャル子に地味子にロリっ子まで。より取り見取りな206人!
…うん、俺もやらかしちゃったんだ…。
ここに来た日、リーダーに頼まれてさ、助けた子に名前を付けてあげたんだ。深く考えずに大先輩の話から借りて「フレイ」ってね。
そしたら、その子、腕が生えて足が伸びて体形も変わって、尾羽がある天使みたいな姿になったんだよ。見た目は小学一年生ぐらいのね。
びっくりして聞いたら、名付けのことを聞かされたわけ。
あとは、わかるよね?
4日かけて全員に名前を付けちゃいましたー、てへっ♪
というわけで、ハーピーたちは全員、ハーピーバロネスに進化。強さも美しさもグーンとアップしてます。
彼女たちの主食は動物性たんぱく質。早い話が小動物や虫。大半が夜行性だから、彼女たちも夜行性だったわけ。
今は肌色の部分が増えたから、紫外線がお肌に悪いからヤダとか言って、余計に昼間は嫌がるかもしれない。
…まあ、俺が教えなきゃ、そんなこと言わないだろうけど。
おっと、そろそろ狩りの時間だな。
「ダール様、そろそろ」
「マリューか、今行くよ」
今日はリーダーが呼びに来た。
聞いての通り、俺はダールと名乗ることにした。大先輩に続くぞってノリで、ゲームに出てくる町の名前をもじったんだ。
そして、リーダーの名前がマリュー。フレイより格上な名前を全力で考えた結果だ。元ネタはアニメのキャラ。うん、サブリーダーはナタルだ。
いや、マジでこうでもしなきゃ、1日で50人も命名できませんって…。
ハーピーたちの消費カロリーが増えたから、今の狩りは自然と効率重視になった。
俺の探知が大活躍するんだ。
なーに、簡単なことだよ。俺が獲物を見つけて、彼女たちが仕留める。ただそれだけ。
探す時間がゼロになり、最適なメンバーで獲物に向かう。見失ったら、俺が誘導する。現状ではこれがベストだろう。
「!?」
探知に大物が引っ掛かった!
かなりのスピードで飛んでくる!
大きな体、立派な翼、長めの首と尻尾、そして四つ足。これ…、ドラゴンじゃん!!
「マリュー! ナタル! ドラゴンが飛んでくる!」
俺の言葉で、皆が身構えた。
空に緑の点が見え、見る見るうちに大きくなる。
力強い羽ばたきとともに、それはやってきた。




