表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
147/150

140.俺、進化することになりました

 主様との謁見は唐突に始まった。

 主様はいつの間にか玉座に座してて、側近ズも控えてた。


 歩いてくれば、当然目に入る。姿を消しても、気配は感じる。

 転移魔法を使ったんなら、空間の揺らぎが伝わってくる。

 なのに、隣にいるお姉さんも、主様も側近ズも、いつそこに現れたのかが1ピコもわかりませんでした!


 さすが天上界の神々、俺との力の差は歴然。象とアリどころか、太陽とミジンコ以上にあると思う。

 まかり間違って戦うことになったら、主人公補正があっても勝率ゼロ。

 仮に、俺の攻撃が通じるとしても、相手を捉えないことには当てられないからね。

 まじめな話、「当たらなければどうということはない」の逆で、「当たらなければどうしようもない」んだよ。


「(ダール様、不遜ふそんですよ)」


 おうふ。

 お姉さんが小声で忠告。


 そう、これもあるんだよね。

 俺が考えてること、神様には丸わかりなんだもん。

 下手なこと考えたら、その時点でデコピン一発。俺、何かする前に終わりです。


 ん?

 今気付いたけど、俺、もしかして神様のオーラに耐性ができてる?

 夢で見たときは神々しさに圧倒されたけど、今は普通でいられるぞ。

 それとも、オーラは覇○色の○気みたいに調節可能なのかな?


 まあ、こんなことを考える余裕ができたってことは、だいぶ落ち着いたってことだな。


「「ダール様、この度はお疲れさまでした」」


 見計らったとしか言いようがないタイミングで側近ズの声。

 しかも、お姉さんに続いて「ダール様」と敬語。

 前に夢で見たときは、丁寧な言葉遣いではあったけど、向こうが上の話し方だった。

 俺、知らないうちに出世でもしましたか?


 って、待て!

 出世したからって、神様から敬語を使われるか、普通?

 神主かんぬし出仕しゅっしから禰宜ねぎになろうが、宮司ぐうじに上り詰めようが、神様に頭を下げる立ち位置なのは同じだぞ!?

 これってどういうことですかね?


「その答えは私が教えますよ」


 おおぅ。

 もはや聞きなれたと言っていい主様の声。

 俺、反射的に見上げちゃいました。


 えっ!?


 主様はサラサラ黒髪のセミロング。ご尊顔は癒し系の超絶美少女。現実にはいないと思うけど、日本人の女子高生的なイメージだ。

 率直に言わせてもらうと、自分が楽しいからという理由でG細胞回収イベントを無茶振りするような性格には全然見えない。


 そして、俺のスライムビューは、側近ズの姿もしっかり捉えてました。

 右側の側近はプラチナブロンドのマッシュルームボブ。可愛らしい系のお姉さんで、北欧系の女子大生的な容姿。

 そして左側の側近は、ブロンドで軽くウエーブがかかったセミロング。綺麗系の女性で、ラテン系のお姉さん的な容姿だった。


 うん。

 神様って、もう少し大人のイメージがあったから、ちょっと意外だったんだ。


 一呼吸置いたのち、主様は言葉を続けた。


「あなたは進化に必要な試練に挑み、誰もが納得する成績でクリアしました。よって、これより進化の儀を執り行います」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ