表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
143/150

136.俺、紋章が浮かび上がる

 STAP細胞が凄いのは、再生の万能性だけじゃない。

 少しだけど確実に、オリジナルより基本スペックが上がるんだ。


 分身ズによると、キンリーは日本がバブルだった時代の定期預金の金利分ぐらい、素の能力が上がったらしい。

 一桁%だけど、レアアイテムのドロップ率と考えたらバカにできない上昇だ。

 実際、聖獣クラスになると、一桁%の数値が雑魚モンスター数体ぶんになるからね。


 そうそう、マナイーターだった時のキンリーの外見は、幻の闇水晶と融合したことで変貌したものだった模様。

 これまでもアレな変貌を遂げたやつが多かったから「あっ、そう」レベルだけど、そういうことだ。



 そして、ここからが俺自身にかかわる内容になる。


 一番の関心事、消えたG細胞は、ごく一部がキンリーの再生に使われたらしい。

 で、残りの大部分は俺の一部になったとのこと。

 効果は今のところ不明。今の分身ズの権限でも、情報にアクセスできないそうだ。

 予想としては、俺も不滅の仲間入りって線が有力だな。


 最後の七大罪能力(スキル)の強欲は、無事にゲットできた。

 効果はマナの奪取。傍から見てると、マナを食べるとういうか、吸い取るというか、そんなイメージになると思う。

 なお、他人から奪ったマナを、直接別人に渡すような使い方はできない模様。


 それでだ。

 今俺が気にしてるのは、シルフとキンリーがいつまでここにいるのかってこと。

 二人がいる間は、ゲットしたG細胞を収納できない。つまり、お使いイベントを完了できないからね。

 かと言って、「ぶぶ漬けでもどうどす?」なんて言うのは……ねえ。仮に言ったとしても、通じるとは思えないし…。



「おいダール、ちょっとこっちに来てくれ」


 シルフに呼ばれ、俺の思考は中断。

 見るとハーピーたちの騒ぎは収まり、キンリーの前に行列を作ってた。

 えーっと、これは…、握手会か何かですかね?


 ポヨンポヨンと近付いたら、キンリーが翼から羽根を抜いては、ハーピーに渡してました。

 そして受け取った方は、それを自分の翼に挿す。

 すると、なんということでしょう。

 羽根は翼と一体化。しかも、ハーピーの素の能力が少しアップ。

 さすが聖獣の身体の一部。確かなご利益があるんだな。


「さあ、ダール様も」

「?」


 俺はマリューに抱きかかえられ、そのままキンリーの前へ。

 いや、俺が羽根を貰っても、一体化はしないと思うぞ? 


 キンリーは微笑みながら、俺にも羽根を差し出した。


「ダール殿、此度こたびはたいそう世話になったのじゃ。わらわの居城の通行証を渡すゆえ、気が向いたときにでも顔を出してほしいのじゃ」


 ああ、この羽根って、そういう役目も果たすのか。


 俺は身体から右手を生やし、キンリーの羽根を受け取った。


「!」


 羽根は吸い込まれるように俺と一体化。あとには鳥の頭を模した紋章がうっすらと浮かんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ