126.俺、S2の地図とメタキンの地図を自力で出しました
さて、そろそろ頃合いだな。
いくぞ、分身ズ。
((((りょ))))
所定の位置についてる分身たちから返事がくる。
うん。俺は合体を解除して分身を回収し、新たに4体の分身を出したんだ。
わざわざそうしたのには理由がある。
俺も含めた5体のパワーを揃えるためだ。
で、出しなおした分身は、イマドキの女子っぽい口調で揃った。
願ったわけでも狙ったわけでもないよ。初めて4体同時に出したら、こうなったんだ…。
どうやら、分身の口調は出したタイミングで決まるっぽい。
なんとなくだけど、某RPGの青い宝箱の中身と同じ決まり方な気がするな。そう。すれちがい通信を流行らせたやつ。
俺たちの配置は大きな五角形の頂点。もちろん、全員が強欲の範囲外だ。
俺はマナイーターの進路上の頂点にいる。これなら、奴はまっすぐ進み続けるからね。
ついにその時がやってきた。
俺たちは同時に魔法を使う。
「マナカットオール」
これは5人で使う大魔法。効果はマナの遮断だ。
他の世界には名前が似てる破邪呪文もあるが、気にしたら負けだ。
大魔法は難なく発動。まあ、大魔王バ○ンが5人で魔法を使ってるようなものだから、当然だな。
空中に5体を頂点にした光の五芒星の魔法円が描かれ、上下に光のドームを作る!
マナイーターは光の球に閉じ込められた形になった!
よし。これで強欲の効果は事実上無効だ。
間髪入れずに次のステップ。
ここからはスピード勝負だ!
マナイーターを中心から外さないように飛びながら、大魔法を小さくしていく。
程なくして、大魔法は強欲の範囲内に突入した。
大魔法を維持するためのマナの消費が跳ねあがる!
俺たちは全力で周囲からマナを集め、大魔法に注ぎ込む!
ふう、ギリギリ足りたよ。
この先、強欲の影響が強くなる可能性はある。
でも、大魔法も小さくなるからなんとかなるな。
いざとなったら異袋のストックを使えばいいし。
異変を感じたんだろうな。マナイーターが加速した!
でも、予想通り、進行方向はそのままだ。
なんせ、ターゲットの俺が真正面にいるからね。
十分にスピードが乗ったところで、俺はキャスティングネットを放つ。
今回のは、GGに使った物よりさらに重くて丈夫。柔軟性や絡まりやすさも上という優れものだ。
おおっと、さすがは聖獣! マナイーターは反応した!
わずかだが変えた進路は、ギリギリでネットを避けられるコースだ。
でも残念。ネットは二段階で広がるのだよ。
先代の分身4号が、いろいろ研究してくれてたからな。
マナイーターは広がったネットに突っ込み、見事に絡まった。
身動きが取れないマナイーターは、重力に負けて落下開始。
俺たちも、それに合わせて降下する。
「!!?」
マナイーターが地面に激突しようかというまさにその時、強い風が渦を巻いた!




