105.俺、ネクストステージへGOってこと?
むう。「ディバイド」って、弱体化能力専用のワードじゃなかったのか…。
ネズミに一杯食わされた形になるって、俺、元人間としてどうなのよ…?
『ユニオン』
タチネズミたちは合体。ウルトラ怪獣サイズに戻った。
まあいい。タネさえわかればそれまでだ。
俺はタチネズミの分離・合体能力を封印。
分離できなくなってパニクってる本体を、暴食で異袋に収めた。
ふう、これで一件落着だな…。
『ひゃっほう!』
「!?」
謎の声が天上から聞こえた!
見上げた空から何かがワラワラ降ってくる!
ゲッ!?
タチネズミ(小)の群れじゃん!!
まさか…、レミング○の二面開始ですかぁ?
俺、正直げんなりなんですけど…?
とはいえ、ケンカを売られたら買うしかない。
俺は気分を切り替え、タチネズミたちを注視した。
最後の一匹が地に降り立つ。
タチネズミたちは隊列を組む。
…やはり、これはヤル気なのか…?
幸いにも、それは杞憂だった。
タチネズミたちは回れ右。一目散に逃げて行った。
ふう、今度こそ、一件落着だな。
それにしても、だ。
あいつらって、いなくなったら空から降ってきて補充される感じだな。
だったら、絶対に絶滅しないんじゃ…?
まあ、いいか…。
それがこの世界の理なら、是非を考えても意味がない。
直面した時に対処するだけのことだ。
そこまで考えて、俺は大事なことを思い出した。
タチネズミたちは、幻の闇水晶を探してた。
それって、普通の動物やモンスターの行動じゃない。
そう、タチネズミは元々G細胞を持ってたんだ!
えっ!?
てことは…、ま・さ・か…?
恐る恐る異袋を確かめると…。
おうふ。
二つありましたよ…、G細胞が…。
これ、二つともカプセルに入ってくれるんですかねぇ?
俺はG細胞と収納用のカプセルを取り出し、全力で祈りながら赤いボタンを押した。
……うん、そうだろうなぁーとは思ってた。
俺の目には同じに見えた二つのG細胞。
でも、吸い込まれたのは片方だけ。もう片方は残ったまま。
これは、とりあえず異袋に入れておくしかないな…。
ではでは、お待ちかねの能力確認に移りますかね。
本日のメイン、タチネズミからゲットした七大罪の能力は、これだ!
堕落:七大罪能力のひとつ。
攻防一体型。
対象を弱体化する。
うん。これも超やばい能力だ。
攻撃の無力化も、相手の攻撃力自体の無力化もできちゃうんだ。防御だって同じだよ。もちろん、能力もね。
七大罪能力だから耐性も無視。チートメタルボディも役に立たない。
ダイレクトアタックが来なくてよかったよ。いやいやマジで。
そして、タチネズミの固有能力と思われる「爆弾」と「分離」と「合体」もゲットしてた。
爆弾は使える。
物理攻撃扱いだし、時限爆弾とか地雷にもできる。
爆発物の総合商社みたいな能力だ。
で、分離と合体なんだが、ユニークモンスターの俺に使い道があるのか…?