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幕間6.どこの世界にも横暴で無能な上司はいます
『キンリー様、一大事でございます!』
「なんじゃ、騒々しいのう」
『マアクが壊滅しました』
「なんと! それはまことか!?」
『はい。光を放つ謎の物体に囲まれた群は、幾筋もの眩い光を浴びて消滅していきました』
「おおっ!」
『やがて伝説の不死鳥…いえ、伝説より遥かに巨大でしたが、それが現れ、太陽のごとき輝きと争いました』
「ふむふむ。で、どうなったのじゃ?」
『不死鳥は太陽を飲み込み、その火に焼かれたように見えました』
「お、恐ろしい話じゃのう…」
『そして不死鳥は蘇り、炎の竜巻とともに暴れ出しました』
「むう、伝説の通りじゃ…」
『ところがです! 竜巻も不死鳥も忽然と消えてしまったのでございます!!』
「な、何じゃと!!! そんなことがあり得るのか…」
『おそらく、群を消した何者かの仕業かと』
「ううっ、そんな恐ろしいやつがいると申すか?」
『はい。不死鳥が消えた空に黒い壺が浮いておりましたゆえ、おそらくそれが』
「…そうか。よし、その壺を確保せよ! 我が陣営に取り込むのじゃ!」
『ええっ!? そんな…無茶ですよ…』