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昔書いたもの

作者: 大新芽衣

中三頃書いたものなので稚拙な文章だとは思いますが、どうかお手柔らかに。

投稿できるかのテストも兼ねて投稿します。

自らを大きく主張する店の音の喧嘩。

音はモグラ叩きのようで、叩き潰したくなってくる。

人が川となり、少女は魚となった。

帰れ帰れと嫌がらせをするモスキート音を無視して、小さな頭は進んでいく。


少女の様相は、この街の雰囲気と比べると違和感を感じる。

しかし、その違和感は娯楽と快楽の音で支配されたこの街の雰囲気が消し去ってしまった。

今日も変わらず、高い音で存在するエゴイズム。

周囲の目など気にせずに、一人で進みゆく。


人間の鮮やかな虚勢はやがて見当たらなくなり、都合の悪い光景が見えようとも、止まらない少女は、その先へと進む。

文明に置いていかれた者達は、独自にコミュニティを作り、仮初の文明を作った。

俗世では負け犬と称される者達の文明。

少女は元々上品な雰囲気を纏っているが、小汚い者達と比べると、上品さが際立って感じる。

その者達もそれを察したのか、自分の半分ほどのひ弱な少女を直視せず、目を逸らした。

そのような瑣末な事など気にせずに、変わらず進み続ける。


立ち入り禁止の柵を乗り越え、建設途中で放棄された建物に入っていく。

栄枯盛衰。

装飾品も何もなく、無機質なコンクリートで包まれた栄華の跡。

ガラスは粉々に割られて、砂利のようになっているから、歩く度に音が鳴る。

階段のところにシックなブラウンのランドセルを置き、ふんわりと白いセーラー服のスカートを抑えて、腰掛けた。


微かな息が漏れる。

胸のリボンに触れる。

下唇に触れる。

天井を見る。

落書きだらけの壁を見る。

細い腕を見る。

ふと考え、思い出す。

口元が緩む。

涙腺も緩んだ。


夕映えの廃墟。

ここでは時間が動くこともなく、破壊も創造も今後一生起きることがない。

エンドロールのない楽園。

少女は掌を見ていた。

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