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状態異常を振り撒く系の嫌らしい魔王のダンジョン造り  作者: 鈴亜サクサク
異界の知識を持つ魔王のダンジョン造り
97/121

91:スパンダと合流

 巨大亀に壊された城下町を通り抜け、真っ暗な闇の世界と化した森林の上空をバイクで駆け抜けて。

 草原が見えた頃には地平線の奥から太陽がわずかに顔を出し、夜明けの兆しが見えていた。

 太陽の昇ろうとしているのは俺から見て左斜め前。方角にすると東。

 どうやら元の世界の太陽と同じなようだ。

 

 「眩しいね」

 「グラサン使うか?」

 

 オレンジ色に輝く太陽を前にチェーは目を細めていた。

 太陽が眩しいのには俺も同感だったので、サングラスを二つ創造し、一つをチェーに渡す。

 サングラスを掛けた姿は様になっていて格好いい。

 

 「おぉ、眩しくなくなった」

 「それは良かった」


 光の対策が出来たところでアウルレアまでの残りわずかな道のりを飛ばしていく。

 一夜丸々バイクの運転をして溜まった疲れが呼んだ、睡魔による欠伸をこぼしながら。


 「眠い」


 いくら魔王になったとはいえ、睡魔には抗えない。

 気を緩めればいつ眠りについてもおかしくない状態

 もし可能ならエナジードリンクでも飲みたい気分だ。

  


 眠気を堪えながら草原上空を走っていると『アオオオオォン!』と、下から狼の遠吠えが響く。

 寝ぼけ眼をこすって辺りを見渡すと、高台にいる三匹の狼がこちらを見つめてるのが分かった。

 三匹とも美しい灰色の毛を持っている。

 

 狼達は俺が見つめ返すと、踵を返して走り出した。

 そして走りながらも遠吠えを上げている。


 「ついて来いって事じゃない?」

 

 もしかしてこの狼達はスパンダの魔物だろうか。

 ついて行くべきか迷っていると狼達は足を止めてまたこちらをまっすぐ見つめてくる。


 狼の曇りのない眼差し。

 それで見つめられると疑うのが馬鹿馬鹿しくなってきたので、アウルレアまでの道のりを案内してもらう事にした。

 叶うならば宿でも取って早く寝たい。


 ◇


 狼達は段差の多い草原を走り、一際大きな段差がある場所で止まった。

 そこでは見覚えのある巨体な狼男がこちらに手を振っていた。


 「よぉ、カイト! よく来たな!」


 上空から見たところアウルレアの国らしき物はスパンダの言った通り近くにある。

 俺達はまだしも、狼のようなあからさまな魔物が国にいたら問答無用で討伐されるのも充分ありえる。

 国にから少し離れた場所にいたのはそれを考慮してだろう。

 

 「いやぁ、一日近く掛かっちまったな」

 

 地面が平坦な所を探してバイクを着陸させる。

 

 「長旅ご苦労だったな。ちと休んでくか?」

 「お言葉に甘えるとしよう。何よりもさっさと寝たい」

 

 最早宿だとか贅沢は言わない。

 この辺に横になってでも寝たい。

 

 「私はアウルレアに寄りたーい」

 

 チェーの希望。

 折角ならお使いも頼んでおこう。

 紙とペンを創造、頼まれていた土産を記し、金と共にチェーに託す。

 

 「カイトは留守番?」

 「そうだな。ここで寝る」

 「俺も騒ぎを起こさん為にもここで待ってるぜ」

 

 アウルレアに行くのはチェー一人。

 頼んだ物を買ってきてくれるかという心配をするほど彼女の頭は悪くないのでその辺の心配はしていない。

 ただ、魔物だとバレないかは心配だ。


 「チェーも変に騒ぎを起こさないようにな」

 「分かった。行ってくるよ」

 

 土埃を巻き上げる程のスピードでチェーは飛び立った。

 それを見送った後、厚めの布を敷いてその上に横たわる。

 後は目を閉じれば自然と夢の中。

 

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