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状態異常を振り撒く系の嫌らしい魔王のダンジョン造り  作者: 鈴亜サクサク
異界の知識を持つ魔王のダンジョン造り
96/121

90:ナイトツーリング

 夜の帳が完全に降りて、光なしでは視界を満足に確保できなくなってくる時間帯。

 勿論、バイクのライトで光源は用意してあるが、それだけでは不十分なのは否定できない。

 なのでチェーの夜目が非常に頼りになる。


 「ちょっと光消した方がいいよ」

 「理由は?」

 「上に鳥じゃない何かがいる。襲われるかもね」

 

 チェーに言われて、ようやく上空を旋回する生物の存在を認識できた。

 闇夜に紛れて全貌は良く分からないが、辛うじて視認できた翼と爬虫類のような姿はワイバーンと呼んで差し支えのないような姿をしている。

 それが少なくとも三匹。


 確かドラミクの所にもワイバーンはいたが、こいつはドラミクもしくは他の魔王の魔物なのだろうか。

 それともただの野良なのか。

 どちらにせよ、安全策を取らない理由は無いのでライト消して、素早く通り抜ける事にした。

 

 何事もなく通り抜けられたかと思ったところで、一匹のワイバーンが金切り声のような鳴き声を上げた。

 次の瞬間、体を持っていかれそうな程の突風が吹き荒れる。


 「カイト、大丈夫。私がいるから」


 チェーが翼を駆使して風を防いでくれたので、風に拐われる事態は免れた。

 叫んでいたワイバーン達は風に抗えず、四方八方に飛ばされたり海に墜落したりで、瞬く間に散り散りになっていった。

 

 突風を吹かした犯人は俺が知っている奴だった。

 チェーの翼に覆われた時に隙間から見えた闇の中でも煌めく銀の翼膜を持ったドラゴン。

 奴は【夜空竜】ナドガ。彼の魔王が悠々と飛んでいたのだ。


 「こっちには気付いて無いよな」

 

 ナドガはあっという間に遠くにまで飛んでいく。

 さっきの島よりも大きいであろう巨体が点のように小さくなって、夜空に紛れたのを確認したらライトを付けて、ハンドルをひねりバイクを進ませる。

 出来るならナドガとは敵対したくはないな。

 上を横切られただけでも感じたあの威圧感。

 今の実力では勝てる未来が見えない。


 ◇


 長かった海渡りもいよいよ終わりを迎えようとしていた。

 陸地、そして城と城下町が見えてくる。


 「お、ここがアウルレア?」

 「いや違うな。アウルレアは海から離れた所にあるらしいし」


 この国に用は無いので名前すら調べていない。

 素通りしようと思ったが、城下町の異変に気付いて、走るスピードを少し遅める。


 「地震でもあったのか?」


 建物の大半が倒壊しており、人が住めるような状態ではない。

 更に城下町の中心では山と言っても過言ではない巨大さの亀が倒れていた。

 近付いてみると、甲羅のあちこちから極太の砲身が生えているのが見える。

 生物と兵器が混ざったような亀は遺跡にいた生物のように動く気配はない。

 

 「コイツが街をぶっ壊したっぽいね。ほら、通った跡が残ってる」


 街を囲む城壁からここまでの直線上には所々に足跡が残っていた。

 一つ一つが並の建物よりも大きく、踏まれて粉々になった建物も少なくない。

 もしかしたら逃げ遅れて建物と一緒に踏み潰された人もいるのでは?

 だとすれば夜で下がよく見えないのは助かったな。


 「それにしても今日はやたらとデカブツに出会うな」


 遺跡の謎生物から始まり、ナドガ、そして巨大亀。怪獣大決戦でも始まるのか。

 まさかとは思うが、この世界に巨大生物はそこら中にいるなんて事はないよな。

 今日はたまたまそういう日だったということにしておきたい。

 

 

 この国には色々気になる事はあるが、ゆっくり調べるつもりもないのでそろそろここから離れる事にした。

 

 

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