8:魔王集会 パーティー
料理はブッフェ形式でパスタやリゾット等の普通の食事からケーキやアイス等のデザートまであり、種類が豊富だ。
俺はその中から気になったのを適当に選び、取り皿に取っていく。
で、空いている席を探して、そこでゆっくりと頂く。
味は普通に美味しい。
「よー、隣失礼するぜ」
隣に座ってきたのは身長三メートル位はありそうな狼男。
確かスパンダだったはず。
八人の新たな魔王の中で唯一人外だったから印象に残っている。
その魔王はある提案をしてきた。
「なぁ、俺達新たな魔王八人で同盟を組まないか?」
同盟参加の誘いだ。
これは俺に不利すぎる条件がなければ参加しようと思った。
純粋に仲間がいるってのは心強い。
「同盟に入ったからには何かやらないといけない事ってあるか?」
「そうだな……同盟内の者達がピンチだったらなるべく助けてやるってのと、同盟員同士で争うなって位か」
めっちゃ軽い。
これなら勿論二つ返事で加入する。
「よし、分かった。俺のその同盟に入れてくれ」
「お、ありがてぇ。じゃあ俺は他の奴らも誘ってくるぜ。じゃあな! あ、そうそう。特にサインとかも要らねぇからな」
そう言ってスパンダは立ち上がり他の新たな魔王達を探しに行った。
さて、スパンダも行った事だし飯の続きを頂くか。
◇
~スパンダ目線~
よぉし、幸先がいいぞ。
最初に声を掛けたモミジはすぐに同盟に加入してくれたからな。
次は……お、あれはドラミクだな。
それとカイトもいる。
何か言い争っている途中のようだ。
「カイト! 私と勝負しなさい!」
「いや、ちょっと待て。何でだよ。俺が何かしたか?」
「あなた、入場が派手すぎたのよ! 何よ、あの機械は」
「えぇー、そんな理由かよ」
ドラミクがカイトに勝負を申し込もうとしている。
それを見物して、「いいぞもっとやれ」「男なら逃げんなよ!」等と野次を飛ばす魔王達。
どうする?
止めた方がいいか?
俺が悩んでいる間に、一つの黒色の物体が二人の言い争いに割り込んで来た。
「はいはい、元気があるのはいいけど落ち着いて」
魔神王だ。
魔神王は二人に手を当て、ある提案をする。
「君達、面白いね。出会って一日目で戦おうとする魔王は初めて見たかもしれない。だから今回は特別。二人に戦いの場を用意してあげよう」
「ありがとう、魔神王様!」
「いや、ちょっと待って下さい! 僕は戦いたくは無いですよ!」
「フフっ、慎重なのもまたいい。だけど心配は要らないよ」
魔神王は空に飛び上がり他の魔王達の注目を集めた。
「今、ここに新たな魔王同士の魔王戦争が勃発しようとしている! そして今回は特別だ。この戦いで命を落としてもそれを無かったことにする! 他の魔王達は新たな魔王の戦いを楽しみ、新たな魔王達はそれをしかと見て、自分の糧とするがいい!」
言い終わると魔神王は地面に降り立った。
そして二人の肩に手を乗せて、何かをささやいた。
それは俺に聞き取ることは出来なかった。
そしてその後、カイトの方も渋々同意したらしく、新たな魔王同士の戦いが始まることとなった。