41:おまけでついてきた二人
サープドラゴンは捕まえていた者達を離した。
「モミジー! あの蛇中々やり手だぞ!」
「ですね。あの長体で私達に気づかれず近寄ってくるなんて」
開放されたデモンとアラクネは口々にこう言った。
確かにこの扉を突き破るとかいう派手な事をしているくせにそんな事が出来るとは意外だ。
それはさておき、色々と聞きたい事がある。
レッシェはどこにいたのか、この知らん二人組は何者なのか。
どちらかというと後者の方が気になる。
というわけでレッシェに質問。
「この二人は誰?」
「冒険者だな。Dランクの」
聞いてもふーん位の感想しか出てこなかった。
そもそもDランクがどれ程の強さなのかも分かんないし。
ひとまず二人は放っておいてこちらのやることをしよう。
「紹介する。俺の眷属のデモンとアラクネだ」
「よろしくねー!」
デモンは元気な声で挨拶をする。
アラクネの方は小さなお辞儀をした。
「二人ってことはあれか。魔神王から貰ったやつを使ったって事か」
「そうだけど?」
「あの使い方の分からん小瓶からよく召喚しようと思ったな。使い方とか分かってたりしたのか?」
確かあの時はまぐれで成功したんだったな。
あそこでもし失敗してたら俺はどうしてたんだろうか。
……考えなくてもいいかな。
「モミジ、あの小瓶からどうやって召喚出来た?」
「あーっと、あれだ。中の液体を地面に垂らして召喚の呪文」
「何だ意外と簡単じゃねぇか」
「まぁそうだな」
スパンダの質問に答えている間にデモンとアラクネはドラミク、リズミカの二人にステータスを見られていた。
「へぇー、このちっちゃい子の方がランク高いんだね」
「もっとほめていいんだぞー!」
デモンはリズミカの膝の上に座っておりリズミカに撫でられている。
ステータスの確認をしているのだろう。
アラクネの方はドラミクが触っていた。
「オウオウ、男のお二人さんよ。見るもんが無いんだったらオレサマを見てもらおうか」
後ろで舌なめずりの音がした。
この正体は分かっているが、少しゾッとした。
「……触るぞ?」
「遠慮すんな! 好きなだけ見せてヤルヨ!」
スパンダは一足先にサープドラゴンに触れステータスの確認をする。
俺もステータスを見るためサープドラゴンの胴体に手を当てる。
やっぱり湿っていた。
種族:サープドラゴン
名前:
レベル:7
ランク:A
筋力:高
俊敏:高
魔力:中
スキル:影渡り 毒牙