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28:悪い事しよう

 アラクネのステータスはバランスがいい物だった。

 そしてデモンがAランクなのに対してアラクネはBランク。

 こう言うのは基本にAランクの方が上なので、アラクネの実力はデモンに劣ると考えておこう。

 今はとにかく近接戦闘が得意な魔物が欲しい。

 デモンより筋力は高いので彼女には期待している。


 「あー、モミジさん? その期待の目で私を見るのは何ですか?」

 「ご、ごめ……いや、折角だし今聞いとく。アラクネはどういう戦い方が好きだ」

 「そうですねー、私の毒や糸で相手をジワジワと消耗させるのが得意ですよ。なので近接戦闘はちょっと苦手ですね」


 お前もかい!

 俺達皆搦め手で攻めるタイプだぞ。

 相手に毒対策されただけで詰む未来が見える。


 まぁ嘆いてても仕方ない。

 今の戦力で出来る最高の作戦を考えよう。


 「モミジー、また誰か来てるぞ」


 考えようと思った矢先、デモンがクリスタルを指差す。

 そこには一人の若い女戦士がダンジョンの前に佇んでいる所が映っていた。

 背には大斧を背負っており、いかにも力がありそうな雰囲気を出している。

 

 一人、そして純粋な力が強そう。

 こんな都合の良いカモを見つけて、俺はちょっと面白い事を考え付いた。


 「あらあら、モミジさん。悪い顔してますね」

 「あぁ、あの子をかっ拐うぞ」

 「うわぁー、悪ーい」


 悪くて結構。

 それが【病毒を振り撒く高校生】である俺のやり方なのだから。


 目的はあの女戦士を捕らえ、俺達の戦力にする事。

 捕らえる手段は問わない。

 彼女なら俺達に足りなかった前衛で戦う者が勤まるであろう。


 「さぁ、二人共、手段は問わない。あの女戦士を生け捕りにしてきてくれ」

 「おー!」

 「分かりましたわ」

 

 ◇


 これは新しいダンジョンだ。  

 私は良くこの辺りに薬草採取に来ていたから分かる。

 以前までこんな建物は建っていなかった。


 ではどうするか。

 今までの私だったら逃げて帰っただろう。

 しかし、私はCランク冒険者になることが出来た。

 つまり一人前の実力として認められたのだ。

 それで逃げ出したら恥でしか無いだろう。


 ならば話は早い。

 ダンジョンに挑むしか無いだろう。

 心配はいらない。

 出来たばかりのダンジョンは基本的に攻略も簡単だし、今日は秘宝も持ってきている。

 そう簡単に負けはしないだろう。


 意を決し、ダンジョンの扉を開ける。

 

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