27:新たな仲間
魔神王の話だとこの小瓶で新しい魔物が召喚出来るらしい。
やり方は教えて貰えなかった。
とりあえず開けるか。
瓶の栓を軽く引っ張ってみる。
栓自体は簡単に取れる。
特に匂いも変わった様子もない。
で、ここからどうすんだ?
この紫色の液体を飲む……は違うよな。
色的にブドウ味がしそうだが。
そういえばデモンを召喚した時はどうしてたか。
思い出してみる。
何か中二病な台詞を言って、床に魔法陣が出来て、部屋が眩しい光に包まれて……。
この小瓶必要ないな。
振り出しに戻された感じだ。
試しにあの台詞を言ってみるか?
今だとデモンに聞かれる事になるがそんな事は全く気にして無かった。
息を吸い、一息で言い切る準備をする。
「魔王モミジの名において命じる! 異界より姿を現せ、我が眷属よ!」
今回は噛まずに言えた。
やったぜ。
で、召喚の台詞を言ったら小瓶がカタカタと震え、俺の手からスルンと滑り落ち、中の液体をぶちまけて割れてしまった。
その液体は段々と光り出したので俺はそこから距離を取る。
次第にこの部屋を眩しい光が包み込む。
成功か?
光のせいで見えないが、何者かが水から出る音がする。
ビチャンビチャンと。
そして明らかに人の物ではない足音も聞こえてくる。
何か巨大な虫のような。
光が収まり、召喚した魔物の姿を見て、一瞬恐怖を抱いた。
美しい女性の上半身に恐ろしい蜘蛛の下半身がついている。
確かアラクネだったか。
俺の記憶にあったそれと同じ姿をしていた。
ていうかこの人、胸にさらしを巻いているだけで他に何も身に纏っていない。
もしかして……いや、考えては駄目だ。
「あら、はじめまして。私は【アラクネ】という魔物ですわ」
「あ、はじめまして、俺はモミジです。これからよろしくお願いします」
不純な考えをしていたせいか何故か敬語になってしまった。
とりあえず彼女が優しそうな性格をしていて一安心。
「私の力を見せてやるぞ!」
デモンは羽ばたき、蜘蛛の部分に乗る。
しかしアラクネは特に怒った様子も見せず、笑顔でデモンに対応する。
「あなたは先輩さんですね。私には分かります。あなたは私より強い魔物ですね?」
「当たり前だー!」
本当にデモンの方が強いのか、アラクネが子供をあやすような感覚で言ったのかは分からなかった。
しかし、本当に優しい性格をしている。
さて、先ず最初に彼女のステータスを確認しておきたい。
確か魔物のステータスを見るにはその魔物に触れて「ステータスオープン」だったよな。
蜘蛛の部分に手を乗せて……
「ステータスオープン」
「あらあら? 意外と魔王様も大胆ですわね」
「大胆だー!」
からかわれてる気がするが気のせい気のせい。
アラクネのステータス画面が見えるようになる。
種族:アラクネ
名前:
レベル:1
ランク:B
筋力:中
俊敏:中
魔力:中
スキル:毒牙 蜘蛛の糸




