2:眷属の召喚
まず眷属を召喚するにはDPを使わないといけないらしい。
最初の一体はサービスされてるのか1000DP、俺の所持DPぴったりで召喚が可能なようだ。
で、その召喚方法が『魔王モミジの名において命じる。異界より姿を現せ、我が眷属よ』とかいう中ニ病なセリフを言わないと駄目らしい。
俺高校生だぞ?
今は誰も居ないしまだいいが、今後このセリフを誰かに聞かれたら恥ずかしいぞ。
念のため辺りをもう一度見回してみる。
よし、誰も居ないな。
召喚を始めようか。
「魔王モミジの名において命じりゅっ! 異界より姿を現せ我が眷属よ!」
少し噛んだが、どうやら問題は無いようで、段々と足元に魔方陣が描かれていく。
部屋の真ん中から広がり、人一人が入れる程の広さになったら、そこから広がらなくなった。
どうやら召喚される眷属はそこまで大きくはない模様。
変にバカでかいのが召喚されても困るし、これくらいの方が丁度いいだろう。
魔方陣の大きさが決まったら、中の紋章に徐々に淡い紫色の光が帯びていく。
そして魔方陣全体に光が行き届いたら、急に眩しく輝きだし、この部屋を包み込んでいった。
俺は眩しくて目を瞑った。
次に目を開けたら、部屋の中心に一人の少女がぽつんと座っていた。
その少女はカラスアゲハのような青を基調に黒も混じっている美しい羽を生やし、紫色の髪に蝶を模した髪飾りを着けている。
そして何より小さくて幼い。
この子を日本の町中で連れて歩いてたら職質待ったなしだろう。
その少女はピョンと立ち上がりこちらに目を向けてくる。
くりっとしていて俺と同じ黒色の目。
「あなたが私のご主人様なの?」
あざとく首を傾かせながら聞いてくる。
なにこれかわいい。
「そうだよ。名前はモミジだ。よろしくね」
「モミジかー。 私は【デモンフェアリー】だよ」
多分このデモンフェアリーというのはこの子の種族名で名前はまだないのだろう。
俺が名前をつけてあげたいが、今はいい名前が思いつかないので保留だ。
今は仮にデモンと呼ぶことにする。
デモンを召喚してDPはすでにしようされたらしく、ステータスのDPの値は0になっていた。
ここのページにもう用はないと思い、次のページに進む。
「モミジー、なに見てるんだ? 私にも見せろー」
デモンがいつの間にか足元からこちらを見上げている。
しょうがない。
座ればデモンも一緒に読めるだろう。
俺はあぐらをかき、そこに座るように手招きする。
するとデモンは体重を掛け、ドスンと座ってきた。
そしていたずらっ子のような笑顔を見せながら俺に背を預けてくる。
「ふふーん。どうだ参ったかー!」
「あぁ、参ったよ。俺の負けだよ」
やべぇ。
もう俺ロリコンでいいかもしれない。
デモンの可愛さも堪能していたいが、それよりもチュートリアルを進めなければ。
四ページ目には眷属のステータスを確認してみようの項目があった。
ステータスを確認するには対象に触れてから『ステータスオープン』と言えばいいらしい。
ちなみに触れている対象がいないと自分のステータスが表示されるそうだ。
今ステータスオープンと言えばデモンのステータスが見れる訳だ。
「ステータスオープン」
するとステータス画面が見えるようになった。
種族:デモンフェアリー
名前:
レベル:1
ランク:A
筋力:低
俊敏:高
魔力:高
スキル:リンプン 蝶の舞い