19:魔王集会 閉幕
短め
しばらく料理を堪能した後にアナウンスが入って来た。
「皆様。今回の魔王集会も閉幕のお時間となりました。まもなく自分のダンジョンに転送いたします」
魔神王が移動に使ってた黒い何かが俺を包み込んでいく。
他の魔王達も同じような事になっているようだ。
魔王集会は短いながらも様々な成果を得ることが出来た。
そして中々に楽しかった。
そんな事を考えている内に視界が黒に染まっていく。
◇
「モミジー、起きろー!」
幼い声が俺を呼び掛ける。
この声の持ち主を俺は知っている。
デモンだ。
俺の顔をペチペチと叩いてくる。
そして目を覚ます。
パーティー会場の明るい華やかな雰囲気とは違い、暗く不気味な天井が目に写る。
そしてその天井すれすれを毒蛾が数匹飛び回る。
俺のダンジョンだと分かるのにそう時間は要らなかった。
「お、起きたな! 何かお土産は無いか!?」
「落ち着け落ち着け。ちゃんとあるから」
カイトに貰った二つのタッパは……ちゃんとある。
このタッパには俺の気に入ったパスタとケーキを入れて来た。
タッパ二つをデモンに渡す。
そしたらどこに持ってたのか分からないが、フォークを取りだし、パスタを食べ始めた。
必死にパスタを食べている様子は非常に可愛らしい。
疲れたし、ダンジョンに何かあるまで横になる事にしよう。
この疲労感は旅行から帰ってきた時の疲労感と同じような感じだ。
意識がぼんやりしてきて、自然にゆっくりと目を閉じていく。
おやすみなさい……
一章はこれにて終了