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12:交戦 炎のように赤き竜

 エリーの振り下ろした大斧の一撃をドラゴンはジャンプで後ろに飛び、回避する。

 それと同時に火炎球をエリーの足元に放つ。

 エリーもそれを避け、火炎球は地面に着弾した。

 すると地面に生える草が燃え始め、辺りを火の海へと変貌させてゆく。


 ドラゴンは辺りが火の海になったのを確認してから立派な翼を羽ばたかせ、天へと飛翔する。

 高さはそこまで高くはなく、しかしエリーの手が届かない位置で滑空する。


 「エリー様、ご無事ですか!」


 ここで援軍のチビネコレディ軍団が到着。

 が、来たタイミングが最悪だった。

 ドラゴンはチビネコレディ軍団にターゲットを変更して、そちらに火炎ブレスを吐いた。


 「ちょ、あんた達、下がって! ここは危ないよ!」


 エリーは思わず叫ぶ。

 そのお陰もあったかは分からないが、チビネコレディ達は火炎球の回避に成功した。

 しかし当たらなければもう一度打てばいい。

 ドラゴンは息を吸い込み、二発目の火炎球を放った。


 まずいな。

 このままだと被害が出るぞ。

 ここからだとジャンプしても攻撃が届かない。

 斧を投げ付けても届かないかもしれない。

 どうすればいい。


 エリーはカイトから貰った手榴弾の存在を思いだす。

 戦闘をして激しい動きもしたが、ベルトにはしっかりと三つ全て付いている。

 その一つを取り、ピンを抜いてから飛行するドラゴン目掛けて投げつける。


 弧を描いて飛んだ手榴弾はいとも容易くドラゴンにキャッチされてしまった。

 しかしこれでいい。

 何故ならこれは爆弾なのだから。


 ドラゴンは手榴弾をこちらに投げ返そうとしたが時すでに遅し。

 ドラゴンの手の中で手榴弾は爆発した。

 その衝撃により落下こそしなかったものの、体勢を崩す。

 手榴弾を握っていた方の手は焦げ付き、煙を出している。


 「今だ! 走れ走れ!」


 ドラゴンが火炎ブレスを吐かない間にチビネコレディ軍団は相手のダンジョンへ突入していく。

 恐らくこのドラゴンが相手の眷属。

 ソイツをエリーが食い止めている間にダンジョンを攻略してしまおうという判断だ。


 「グルルルルォォン!」


 ドラゴンは怒りを込めた咆哮を放つ。

 そしてエリーに噛み付こうと飛びかかる。

 エリーは待ってましたとばかりに、大斧でその噛み付きを防ぐ。

 斧と牙のつばぜり合い。

 火花を散らし、拮抗とした状況だと分かる。


 しかしこれだと勝負はつかない。

 この状況を打開するためにエリーはドラゴンの下顎に強烈な蹴りを喰らわせる。

 その一撃でドラゴンは勢いよくのけ反る。

 そして互いに距離を取り合う。

 ドラゴンは牽制として火炎ブレスを吐きながら。

 広い範囲に放たれたブレスは完全には防げない。

 エリーはこの戦闘で初めてダメージを負った。


 さらに上空から飛竜ワイバーンも炎を吐き、相手の援護をする。

 多対一はさっきもやったが、今回は相手が悪い。

 強敵と戦いながら上空にも注意しないといけない。


 それにこのドラゴンと戦って分かったが、一対一なら普通に勝てる相手だ。

 しかしそれ故にある疑問が浮かび上がる。


 「このレベルの魔物が眷属なのか?」

 

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