01-女子高生という生き物の生態。
いつも通りの帰路の途中。
同じ方向に住んでいる友人たち数名との道行きで
もっぱら話題になるのは。女性なら一度は経験していることだろう。
女子高生の好む話題。
お互いのメイクや服装のほめあい。
スイーツ店などの情報のやり取り。
そして欠かせないのは
☆ コ イ バ ナ ☆
どこの部活の先輩が格好いいだとか、生徒会長かっこいいとか
同じクラスの男子が気になるとか、委員会の人が気になるとか
この前告白されたとか。etc,etc,etc,,,
キャーキャー黄色い声をあげながら、キャッキャウフフ。
私も勿論一緒にやだぁ、とか本当?とか合いの手を入れながら会話するが
私には ”恋愛経験” というものがない。
初恋すらもない、先ほど上った男子たちの顔を思い浮かべても
なーにがかっこいいんだかわかりやしない。
見えないところで鼻ほじったり、屁こいたりしてる普通の人間でしょうに。
そこまで盛り上がれる理由がさっぱりわからない。
なので、なるべくこちらに水が向けられないように上手く合いの手を入れてかわすのみ。
もし向けられたとしても、必殺えー今はちょっといないかなあ、かもじもじとして
困ったような顔をしてみせるだけだ。そうすれば勝手に相手は想像してくれる。
それで勝手な勘違いで暴走されても困るので、全く適当に手の届かない高嶺の花ってやつを探している。
振られても全く問題のない相手。そして振られてしまえば暫く恋なんてしたくないの。
そういって誤魔化せる相手がいれば最高である。
だが悲しいかな、普段からそこまで男子と話した事もない自分には
いざ告白、といったところでどのような言葉をかければいいのかわからない。
ここはべただが、相手の靴箱とやらに”何時に○○で待ってます♡”とでもしたためた手紙を投函すべきか。
さて、投函したところで本人が来たとして、何といえばいいのか。
少女漫画だと、好きです。って言えばいいんだろうけど。で?っていう話なので
好きです、付き合ってください。がベターだろう。
そこでいや、と断って頂ければミッションコンプリートだ。
そして、そこまで考えていながら行動に移せないのは、現在この学校で人気者あるいは高嶺の花といって
差し支えない相手の大半は、既に友人達の意中の人がほとんどである。
自分の苦痛を紛らわす為とはいえ、友人と軋轢を生んでしまっては元も子もない。
かといって、友人の思い人でない高嶺の花というと、生徒会長と、副会長。
学校の首領ではないか。
今後の学生生活において、なにがしかのトラブルを起こすのは良策とは言えまい。
ううむ、どこかちょうどよく恰好よくて、人当たりがよくて、みんなに愛されるような
そんな私にとっては告白したら振られて当たり前なちょうどよい物件はないものか。
そんな馬鹿な事を考えている合間に、それぞれの帰路の分かれ道まできていたようだ。
幸いオートモードで円滑にコミュニケーションを行えていたようで、自分の猫かぶりに安堵する。
「じゃ、またねー。」
「ういうい~明日~!」
「あ、うちらコンビニよってくから~」
「ほーい、じゃまた明日ー」
「課題忘れんなよー!」
めいめいに声を上げながら散らばっていく、女子高校生たち。
命短し恋せよ乙女。花の時代は短いもの。なんていうけれど、現代日本において寿命は
大幅に改善されている。寧ろ日本は長寿国の筈だ。戦時前~とかであったのならば
その通りだろう。現代医療のように医学が浸透していなかった時代ならばだ。
そして花の命は短くても、結婚年齢は年々上がっている筈だ。
ちーとばかし、遅くても構うものか。そもそも一人で過ごすのが最高だという考えの私なのだ。
誰かと同じ居住空間で何十年も生きられる気がしない。
溜息をつきながら、自分も家路へとついたのだった。
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