だんまり君とおしゃべり君
ちょいと良いかい?あんまりな事が起こり過ぎて何処かに吐き出さないと腹の底にタールのような感情が溜まってしまいそうだから、僕の第一の犠牲者になってくれないかい?
そんなに身構えなくても大丈夫だよ、何もとって食うような事は無いんだからね。
鬱陶しいのは百も承知だから君の目が軽蔑に濁る位までに抑えていくからさ。
特に大した話では無いんだけど、僕がもっと子供だった頃に気付いたら頭の片隅にこびりついていた錆のようなものが、何と言うか脳にまで達してしまったようなんだ。
その「錆のようなもの」なんだけど、言葉ではとても表し辛いものでね、どう言えば良いか分からないんだ。だけど、それがどの様なシチュエーションで出てくるのかは表せるかな。
とても幼い頃に1人でお風呂に入っていて、何と無しにふと照明を見上げていると、何故か心にさざ波が立ってきて、急な不信感と今、生きている事に対する不確率的な気味悪さがない交ぜになってしまって生に対する不穏さとでもいうのかな、まあカッコいい言い方をすると「生きながら死んでいるのではないか?」みたいな問答が脳内でループしていて、とてもブルーになってしまうような感じのシチュエーションかな?
そう、とてもブルーだ、そう、錆のようにザラザラしていて、手に取ると怪我をしてしまって破傷風で死んでしまうんじゃないかと不安になる様な気分。
それが日常化している感じだよ。とてもセンシティブなんだ。胸に穴が空いてしまってとても空虚なのだけれど、重いんだ。ただそれだけなのに僕の平穏をぶち壊されてしまったんだ。君には全く関係無いんだけど話し相手が少ないもので致し方無かったんだ。
ああ、悪かったよ。ありがとう。言葉にすれば何か変わるかと思って君を引っ捕まえてこんな話をしたんだが、あまり変わらないものだね。
感謝しているんだ。半端者の僕にも友がいると分かったから。だから本当にありがとう。