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~想い~
ひとはいつから飛ぶことを忘れてしまったのだろうか。
あの青い空へ、もっと高いところへ行こうと、夢を追いかけていた時代はいつ終わってしまったのだろうか。
自由に空を駆けているときのあの高揚をひとは感じていないのだろう。
飛びたい。優雅に羽ばたく鳥のように、私も風と一体になりたい。
私は飛べない魔法使い。
そして魔法使いは飛べない。
それでも私は飛びたい。
あの時の興奮を思い出したい。
翼がなくたって、私はずっとずっと高く飛んでみせる!!
空を夢見る少女は、ひとりの少年と出会う。
これは、そんな彼女が空を飛べるようになるまでの、物語。