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繋がらない飛行機雲

作者: わたし


生まれてきたことに何の意味があっただろうか。何度考えたって悩んだって答えなんて出てきやしない。生まれてくるのはいつだって疑問だ。

苦しくなって。切なくなって。誰にも会いたくないのに寂しいって思う。


私が求めたものは、長いトンネルを抜けて外へ出た時のような清々しく開放的な気分だった。トンネルに入る前にみた飛行機雲は、トンネルを出てからも続いていて、そこには確かな繋がりを感じる。


私はその時、一瞬だけ上を向いていた。


夢の中で笑っている彼女がいる。目が覚めた時に現実を突きつけられて、強く頭を殴られたような感覚が起こった。


忘れたいのに。


どうして今更。


願っていた時は叶えてくれなかったのに、こんな時だけ……あまりにも残酷だ。


あなたが私の中から消えてくれないから。ふいにこんな夢を。あなたの笑顔を見せてくるから。

私は自分の心と一致しない感情に塞き止められている。だから今日も後悔に似ているようで違う何かに心が蝕まれて行くのを感じる。


ただ、ただ。

息をして側にいてくれる、それだけで良かった。


手放したのは、私だった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最後の一行でガクッと踏み外すような感覚に襲われて、驚きました。 変な例えですが、バッと霧が晴れたのに驚いて階段を踏み外したって感じでした。 [気になる点] 物語の方針、というか進んでいく方…
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