第一話:クリサンセマム
これは 僕の、俺の大切な大切な記憶…
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龍夜side
何が起こったのかわからなかった。
ただ、いつも通り学校に行って、授業受けて、友達とバカやって…
本当にいつも通りの一日だったはずなのに……
キキーーッ!!
バンッッ!
「キャーーッ!!」
「誰か、救急車を!! 早く!」
劈く悲鳴が頭に響き、思わず顔を顰めた
切羽詰まった声が聞こえる
痛い
あつい
苦しい
心臓がドクドクと激しく動いてる
気持ち悪い気分が悪い…
「龍夜?! しっかりしろ!おい!?」
秋斗…?何泣いてんだよ、お前らしくねぇ…
「いくなよ!なぁ…いかないでくれ…!!」
あぁ…視界が歪む……
死ぬのかな…俺……
あーぁ、まだやり残したことたくさんあったのに…
ごめんな、秋斗…
俺、もう限界みたいだ…
「あき…と……。ごめ…な……ありがと………」
頬に温かいものが伝った気がした…
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で…………………………
何処だここはぁぁぁあああ?!
なんか真っ暗なんだけど??!!
てゆうか、俺死んだはずじゃ…
でも、ここ…温かい…
何かに包まれてるような感覚…とても居心地が良い…
て、和んでる場合じゃなかった…!!
マジでなんなんだよ!?
俺が一人慌てふためいていると…
ドンッ!
という突然の衝撃があった…
そして、強く押し出されるような感覚に俺は意識を失った………………
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おぎゃぁあ!…
おぎゃぁあ!!……
元気な赤ん坊の声が部屋に響く…
「おめでとうございます、桜庭さん!
元気な双子の赤ちゃんですよ!」
桜庭さん、と呼ばれた女性は涙を流し笑って言った…
「うま…れ…て…くれて…あり…がと…」
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「Precens〜存在〜」
第一話:クリサンセマム
花言葉:誠実、輪廻転生