敵!敵!敵!
7月15日 B地区の地上部隊が決死玉砕覚悟の戦いにより全滅した。最後の連絡は「我々、一同は置かれる情勢恨まずして、敵を八千代に恨みつつ最後の戦闘を行う」というものであった。無線は妨害されたらしく唯一残っていた有線通信からの報告だった。
地下部隊は前回までの機械操作に加えG地区のスターランスを3万本取り入れるのに成功していた。これを偵察員の常用装備とした。また弾薬・食料庫の対敵要員の武器にも割り当てられていた。
2日間の砲爆撃にもかかわらずB地区の防御陣地は微々たる損害しか被ってなかった。B地区守備兵は増強されたものがもうひとつある。ボンボン王国の抜刀隊800人が送られてきていた。ボンボン王国から派遣されてきたのはほぼ戦力になっていないものだ。送られてきた抜刀隊は特別措置は2階級特進となった。
派遣された抜刀隊は死ぬことを覚悟していた。死を覚悟しての派遣である。どうして戦争というのはここまで木を狂わせることが出来るのだろうか。まあボンボン王国はどうしてこんな無駄な派遣をしたかも十分不思議だが。
黄色い煙が立ち上る。中で再びゲリラ戦が始まった。無音銃、狙撃砲の精密な射撃が行われる。しかし神は一箇所を破壊されたら攻撃されない高さまで一気に上昇するというズーム・アタッタク・アップ戦法を開発し対抗した。
同日同時刻。
G地区に神は斥候部隊50人と戦闘部隊2000人が送られた。砂漠かと思いきや熱帯林で部隊が散り散りになるなどの状況に見舞われ、上空からの一斉攻撃に移った。神はこの地方にいる敵は有効な戦法を持っていないと判定したため艦砲射撃や空爆などは無かった。
青白い閃光と衝撃音がなびき木々を粉々に吹き飛ばした。砂漠の土ぼこりを盛り上げた。G地区は森林で攻撃を行う予定だったため武器庫1割、食料庫3割、人員2割3分を喪失した。
神は泉を発見した。熱いため水に触れたい。そう思い神は向かっていった。そこはきれいな泉であった。青く透き通っている。大きな水草が浮いている。まさかその水草の下に兵士が忍び寄っているとは思わなかっただろう。
神が気づいたのと同時にスターランスの先端部分が神の体を貫き通る。そのまま自ら上がり木の棒で殴りかかる。周辺に隠れていた10人の兵士も応戦しスターランスで突き刺した。
G地区の兵士はどこからとも無く現れるため神から恐れられ嫌われた。このため神は兵士がいそうな場所には徹底的に攻撃を浴びせたがそれでも被害は出た。
A地区は圧倒的な工業力で神の攻撃は受けぬ体制を取っているが、神が出す通信妨害電磁波はA地区のレーダーに不調をきたしており戦車部隊を分散して配置する羽目になった。
「神とやらあんたら残酷すぎる!人間はただ、あんた達に殺されるために生まれてきたのではない。しかし今生命が奪われていく。殺されるのが使命だというのならば我々何のために生まれてきたんだ!」人間たちがこのように叫んでも平和というものはこないものである。